中田(背番号6)らナインを出迎える金子(中央)。5回無失点で移籍後初勝利を挙げ、全球団勝利を達成した (撮影・中島信生)【拡大】
(パ・リーグ、オリックス3-7日本ハム、6回戦、日本ハム3勝2敗1分、18日、ほっと神戸)偶然か、必然か…。移籍後初勝利は古巣からの白星だった。日本ハム・金子弌大(ちひろ)投手(35)は、5回1安打無失点で慣れ親しんだマウンドを降りた。
「すごい巡り合わせというか…。うれしいんですけど、チームの3連敗を避けたかった。それだけを考えていました」
2014年の沢村賞投手は最速147キロの直球を軸に、5回を内野安打のみの1安打。わずか54球の完璧な投球で、プロ野球史上18人目の全球団勝利を達成した。
昨季までオリックスに14年在籍した。ほっと神戸はプロ2年目の2006年4月12日に初登板を果たした思い出の地で、この試合が平成最後の公式戦開催だった。「ここでたくさん投げさせてもらった。最後に勝ててうれしい」。昨季までのチームメートと神戸のファンにも感謝の言葉を伝えた。
通算121勝目。オフに自由契約となり、新天地で手にした1勝目は格別の味だ。チーム方針で日本ハムでは先発と中継ぎの2役を任されているが、「どこでも投げます」と今後もフル回転を誓い、完全復活をアピールした。 (山口泰弘)