【乾坤一筆】
学法石川・佐々木順一朗監督【拡大】
センバツ出場校が決まった高校野球。一方で、東北地方の名将が新天地の伝統校で甲子園を目標に奮闘しており、手腕に注目が集まる。
仙台育英(宮城)前監督の佐々木順一朗氏(59)。昨年11月から学法石川(福島)で指揮を執っている。先月、横浜市内の取材先でお会いし「1年目から(甲子園を)狙いたい」と意欲十分だ。
仙台育英の監督時は甲子園に19度出場(春6、夏13)。春夏1度ずつ準優勝2度の実績を誇る。だが、部員の飲酒・喫煙問題の責任を取り、昨年1月に辞任。3月で仙台育英を退職した。
4月以降はしばらく野球から離れていたが、周りが放っておかない。7月に学法石川から監督就任の打診を受け、9月に受諾した。家族を仙台市内に残し、野球部グラウンドから車で約7分の石川町内で自炊の単身生活を開始。教員採用のため、4月からは社会科教諭として教壇に立つ。
学法石川は甲子園出場12度(春3、夏9)の古豪。だが、1999年夏を最後に聖地から遠ざかっている。礎を築いて30年指揮を執った柳沢泰典氏(故人)が97年に勇退後、監督が実に9人も代わって、佐々木監督で10人目となる。
今回の交代にあたって前監督、部長、コーチらが野球部に残った。約80人の部員だけでなく、スタッフも「本気になれば世界が変わる」がモットーの“佐々木野球”を学ぶというスタンスだ。