2019.2.1 08:00

【小早川毅彦のベースボールカルテ】最初の1週間はまるで“陸上部”…2月1日は最も憂鬱な日だった

【小早川毅彦のベースボールカルテ】

最初の1週間はまるで“陸上部”…2月1日は最も憂鬱な日だった

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小早川毅彦のベースボールカルテ

 紙面はキャンプインで「球春到来!」とにぎやかだが、私は現役時代、2月1日が1年で最も憂鬱な日だった。

 絶対にリタイアが許されないマラソンのスタート地点に立つようなもので、翌日からの厳しい練習についていけるのかと考えると、1月31日の夕食は何を食べてもおいしくない。眠ったら1日の朝が来るので、なかなか寝付けなかった。

 こんな思いをしていたのは、私だけではなかった。広島の大先輩、故衣笠祥雄さんの「なあ、コバ(小早川)。プロ野球というのはキャンプさえなければ、これほどいい商売はないんだよ」という言葉が忘れられない。

 当時のキャンプは最初の1週間くらい、まるで“陸上部”だった。午前中は陸上競技場で2時間から2時間半、ずっと走らされた。ボールに触れるのは、キャッチボールくらい。1月の合同自主トレでもたくさん走らされていたが、同じメニューでもユニホームを着たキャンプの方が一段ときつく感じた。

 午前中の練習が終われば、もう1日が終わったようなものだ。最初の休日まではと気力を振り絞り、また翌日も走った。“陸上部”の時期がすぎると、ようやくボールを扱うことが中心の練習が始まる。キャンプイン時は全く見えなかったゴールが見えてきて、疲れていても元気になった。

 今は第1クールから紅白戦を行う球団があり、10日過ぎには多くの球団が練習試合をスタートさせる。チーム力を上げるには試合が大事なので、悪いことではない。しかし、評論家の立場で見ると開幕前にある程度、チーム力が想像できてしまい、つまらなくもある。

 メジャーのキャンプのように実戦が増えた今、憂鬱な気持ちでキャンプを迎える選手は、ほとんどいないだろう。だが、キャンプとは本来、それほど厳しいものなのだ。 (サンケイスポーツ専属評論家)

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