2019.1.20 13:00

【球界ここだけの話(1514)】大阪桐蔭・中川、春から早大で新たな野球人生をスタート

【球界ここだけの話(1514)】

大阪桐蔭・中川、春から早大で新たな野球人生をスタート

特集:
サンスポ記者の球界ここだけの話
第100回全国高校野球決勝 大阪桐蔭・中川卓也主将(中央)はアルプスへのあいさつを終え号泣。西谷浩一監督(その右)に肩をだかれ、青地斗舞(左)からウイニングボールを差し出される=2018年8月21日、阪神甲子園球場

第100回全国高校野球決勝 大阪桐蔭・中川卓也主将(中央)はアルプスへのあいさつを終え号泣。西谷浩一監督(その右)に肩をだかれ、青地斗舞(左)からウイニングボールを差し出される=2018年8月21日、阪神甲子園球場【拡大】

 年末年始に行われた高校ラグビーで大阪桐蔭が初優勝。同校は今年度の高校スポーツを大いに盛り上げてくれた。野球部は史上初となる2度目の春夏連覇を達成。63人の部員を束ねた中川卓也主将(3年)の、声を詰まらせながらの優勝インタビューは、聞いている側もグッとくるものがありいまでも思い出す。

 「自分が作ったチームというよりは周りのみんなが支えてくれて、自分をキャプテンとして受け入れてくれたおかげでいまここに立っている。周りの選手に感謝したいです」

 中学時代は強豪・大阪福島リトルシニアに所属し、当時も主将としてチームをけん引。指導していた中尾学監督は「監督の必要ない主将。いれば選手が勝手についてくるし、選手を育てられる主将だった」と全幅の信頼を置いていた。

 印象深いシーンがあるという。2年冬のタイガースカップ決勝で藤原恭大外野手(18)=ロッテドラフト1位、大阪桐蔭高=らを擁するオール枚方ボーイズに敗戦。リベンジを込めた翌年夏のジャイアンツカップ1回戦で再戦し、10-0で借りを返した。

 しかし完全燃焼してしまったことで続く2回戦では逆転サヨナラで敗退。チームは涙に暮れた。

 「胸張って帰るぞ!」

 その光景を見て中川は叫んだ。その声に促され、チームメートは球場の外へと歩き出す。その後、誰もいなくなったベンチで中川は一人、悔しさいっぱいに号泣したという。いつも精神的支柱であり続けた。

 そんな男は甲子園で春夏連覇を成し遂げ、三塁側アルプスへあいさつしたあと、人目をはばからず泣き崩れた。あの、中学生のころから決して仲間に弱い姿を見せなかった主将が、だ。偉業への重い荷がやっと下ろせた瞬間。その姿を誰もが温かい目で見つめた。

 春からは早大で新たな野球人生をスタートさせる。広角に強い打球を打ち分けられるセンスを武器に、東京六大学での活躍が楽しみだ。(須藤佳裕)

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