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【帰ってきた!ダンカンが訪ねる 昭和の侍】藤瀬史朗さんの18球

【帰ってきた!ダンカンが訪ねる 昭和の侍】

藤瀬史朗さんの18球

藤瀬さん(左)が、とびきりのエピソードを披露してくれた(撮影・山口泰弘)

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 これは、日本シリーズ史上最もホームベースが遠かった男、伝説の『江夏の21球』のときの三塁走者の物語、『藤瀬の18球』である。

 大阪・梅田のホテルで待ち合わせた藤瀬さんは、大阪によくいる気さくで小柄なおっちゃんというのが俺の素直な第一印象だった…。このおっちゃん、脚ならぬ口が韋駄天で走る走る! いや語る語る!! それがまた興味深い話だから、野球通の食指を動かし続けたのだ。

 --1点を追う九回、先頭の羽田が中前打で出塁。さあ(代走)藤瀬さんの足の見せどころですね

 「(監督の)西本さんから、いつ走ってもいい特権をもらっとったからね。ただし、絶対にアウトになるな!! むちゃ言うやろ」

 --そして、アーノルドの4球目にスタートを切りましたよね。失礼ですが、いいスタートではなかったような…。江夏さんの巧みな投球術にはまったんですか?

 「いや、実はエンドランやったんや。だから遅いスタートを切ったら、ええーっ? アーノルドがバット振らんやんか。もう完璧にアウトや!! その証拠に照れ隠しで、やったことのないヘッドスライディングをしとるやろ!!」

 --確かに!! で、捕手・水沼の送球がセンターに抜けて三塁まで行ったときの心境は?

 「もうホンマ、神様がいたー、やね♪」

 --西本監督はカウント2-1で制球のいい江夏だからエンドランをかけたのにアーノルドがサインを見逃したんですね

 「いや、西本さんは死ぬまであの場面、ワシはエンドランなんて出しとらん、と言っとった」

 --えっ、じゃ何で…。もしかしてサインを中継した三塁ベースコーチの仰木さんの大ミス!?

 「アハハ…。仰木彬は私の野球の大恩師や。聞けますかいな。その仰木さんも逝ってしもうたしね…」

 --ここにも野球界の永遠の謎ですか(笑)

 「そやね」

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  • 1979年の日本シリーズ第7戦。代走で出場した藤瀬さんは三本間に挟まれ、アウトになった
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