【球界ここだけの話(1471)】
東海大相模高校野球部OB会に出席し、笑顔であいさつする巨人・原監督=東京・町田市【拡大】
巨人の原辰徳監督(60)が12月2日、出身校である東海大相模高校野球部OB会に出席。壇上のスピーチでは、父で同校の監督だった父・貢氏(故人)とのエピソードを披露した。
「父には(実力が競争相手と)5-5のなら補欠。6-4でも補欠。7-3なら、そのときは考えると言われましてね。よく怒られました」
原監督は1年生から三塁手のレギュラーとして活躍し、夏の甲子園に3年連続で出場。1975年の春の選抜は準優勝を果たした。グラウンドでは親子関係を断ち切るほどの厳しさで指導されたが、自宅では父の顔に戻ったという。
「家に帰れる解散の日に家に帰ると、父は『おー、辰徳、よく帰ってきたな。お母さんがお前のために一生懸命、ご飯を作ってくれたぞ』と」
さらに続ける。
「(3年夏の)甲子園から帰って、ようやく親子になりました。『3年間、よく頑張った。俺もきつかったぞ。なぜお前に厳しくしたか分かるか? 野球はチームの和が大事なんだ。お前に厳しくしなければ、チームの和は保てないと思っていた』と話してくれました。父親の言葉として温かかったですね」
原監督は高校卒業後に東海大に進学。すると父から「1つだけ言っておくことがあった。俺は来年から東海大(の監督)だ」と言われ、原監督は「これは計算外でした」とジョークで会場を笑わせたが、「厳しいけど魅力のある人でした」と振り返った。
今回のOB会では後輩たちに「夏の甲子園に行けるよう、1試合でも2試合でも応援できるように戦ってくれたらと思います」とエール。自身は3度目の監督復帰を果たし「60歳で人生は一回り。2回目に入るのが還暦をこえるということらしいです。もう一発、やってやろうという気持ちです」とあいさつ。来季は5年ぶりのリーグ優勝へと突き進む。(吉村大佑)