2018.11.9 08:00

【小早川毅彦のベースボールカルテ】働き盛りの“若手”行使でFA戦線がおもしろい

【小早川毅彦のベースボールカルテ】

働き盛りの“若手”行使でFA戦線がおもしろい

特集:
小早川毅彦のベースボールカルテ
FA権の行使を明らかにした広島・丸=7日、マツダスタジアム(撮影・加藤孝規)

FA権の行使を明らかにした広島・丸=7日、マツダスタジアム(撮影・加藤孝規)【拡大】

 今オフは、フリーエージェント(FA)戦線がおもしろい。チームの主力である丸(広島)、西(オリックス)、浅村、炭谷(ともに西武)らがすでに権利行使を表明。3人は20代の働き盛り、炭谷もまだ31歳で、他球団へ移籍すれば来季のチームづくりに大きな影響を与える。

 しかも契約年数や総額年俸は、これまで日本球界でなかなかお目にかかれなかった数字が紙面に躍っている。「去る者は追わず」が基本方針だった広島も、丸には宣言残留を認めるという。残留してもらうには、それ相応の金額が必要で、球団経営がうまくいっていないとできない。苦しい時期を知っているだけに、喜ばしいことだ。

 日本では1993年のオフにFA制度が導入され、広島でプロ10年目を終えた私も初年度に権利を手にした。しかし、当時はまだ義理人情が幅を利かせていて、入団した球団で引退まで全うすることが選手冥利に尽きるという時代。権利を行使するのはひと握りのトップ選手、しかもチームへの思い入れがそれほど強くない選手だった。権利を取っただけでは、球団も年俸交渉の席で「それがどうした?」と言わんばかりの対応。せっかく“武器”を手にしても、“使えない武器”では意味がなかった。

 今は権利を持ち、チームにとって絶対に必要な選手には球団が下交渉を行うなど、なにがしかの“ご褒美”がある。選手にとっても、自分が必要だと思ってくれる球団への移籍は、サラリーマンが好条件を求めて転職するのと同じ感覚だろう。ようやくFAらしくなったし、いい方向に向かっていると思う。

 手段は違うものの、菊池(西武)はポスティングシステムでの米大リーグへの移籍が決定的。来年、メジャーを観戦する楽しみが一つ増える。9日は日米野球が開幕し、まだまだ“野球シーズン”は終わらない。日本シリーズが終わっても野球の話題に事欠かないのは、うれしい。 (サンケイスポーツ専属評論家)

  • FA権の行使を明らかにし、囲み取材に応じるオリックス・西=7日、大阪市西区のオリックス球団事務所(撮影・宮沢宗士郎)
  • FA権の行使を明らかにし、会見に臨む西武・浅村=7日、埼玉県所沢市の球団事務所(撮影・中井誠)
  • FA宣言した西武・炭谷=8日、所沢市の西武球団事務所
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