2018.10.12 13:00

【球界ここだけの話(1418)】ロッテ・若者よ“縁の下の力持ち”が残した金言を胸に刻め

【球界ここだけの話(1418)】

ロッテ・若者よ“縁の下の力持ち”が残した金言を胸に刻め

特集:
サンスポ記者の球界ここだけの話
ロッテ・金沢岳選手

ロッテ・金沢岳選手【拡大】

 ZOZOマリンスタジアムのロビーが花の香りに包まれている。9月22日の福浦和也内野手の2000安打達成に続いて、今季限りでユニホームを脱ぐ岡田幸文外野手、根元俊一外野手、金沢岳捕手の“引退試合”が相次ぎ、関係者からの祝花が所狭しと並ぶ。

 「何があろうと1日1日を大切に。積み重ねが結果になる。時間を無駄にしないように」

 今月4日、引退試合を終えた金沢は若手に向けてそんな言葉を残した。

 矢板中央高(栃木)からドラフト6位で入団して16年。1軍の出場は引退試合を含め177試合にとどまったが、自分の立ち位置をしっかり認識しながら「絶対にくさらない」と自分に言い聞かせてきたのだという。

 一方、「市民クラブ出身の選手だってプロになれるし、本塁打が打てなくてもプロでやれる。そういうことを教えられたんじゃないかと思います」と話したのは、岡田だ。全足利クラブから育成ドラフト6位でロッテ入りし、すぐに支配下登録された。8日の引退試合は3安打と華やかに締めくくったが、同時に59打席連続無安打のプロ野球記録、本塁打なしのプロ人生だった。

 プロは実力の世界。彼らは輝かしい成績を残せたとはいえないだろう。だが、どんな世界も全員がスーパースターにはなれない。それでも、岡田は走塁と守備で魅せるスペシャリストであったし、金沢は捕手という難しいポジションで常にスーパーサブのポジションにいた。こうした縁の下の力持ちがいるから、スターは輝けるのだ。

 彼らがなぜ10年以上も現役を続けられたのか? なぜ引退試合で見送られたのか? 

 そして、なぜファンに愛されたのか?

 そういえば、この夏もファームをのぞくと真っ先に声をかけてきたのは日焼けして、大汗をかいた2人だった。彼らの存在感と残した金言を若い選手たちは今一度かみしめ、よく考えてほしいと願う。

 最後の試合が終わったあと、岡田に「寂しい?」とたずねると、「寂しいね、やっぱり…」としんみりとしていた。逆に金沢は「すっきりした。やりきったと思っているしね」と笑顔だった。

 対照的な表情ではあったが、いずれも何らかの形で野球には携わりたいという。後輩たちには、その生きざまも伝えてくれるだろう。(芳賀宏)

  • ロッテ・福浦和也選手(左)と握手を交わす、岡田幸文選手(右)
  1. サンスポ
  2. 野球
  3. プロ野球
  4. ロッテ
  5. 【球界ここだけの話(1418)】ロッテ・若者よ“縁の下の力持ち”が残した金言を胸に刻め