8年ぶりの優勝を決め、選手の手で胴上げされた矢野2軍監督。超積極野球で頂点まで駆け上がった(撮影・林俊志)【拡大】
(ウエスタンリーグ、阪神0-4広島、22日、由宇)若虎強い!! 優勝へのマジックナンバーを「1」としていた阪神2軍は22日、ウエスタン・リーグで広島と対戦し、0-4で敗れたが、2位のソフトバンクが敗れたため、8年ぶり16度目の優勝が決まった。就任1年目から改革を断行し、昨季最下位からV字回復を果たした阪神・矢野燿大2軍監督(49)は6度宙に舞った。10月6日のファーム日本選手権(宮崎)で巨人と対戦する。
現役時代から変わることのない最高の笑顔で、由宇の空を計6度舞った。歓喜の輪を暖かい西日が照らす。矢野2軍監督率いる阪神2軍が8年ぶりのリーグVだ。エンディングは思惑通りにはならなかったが、この瞬間まで連れてきてくれた選手が誇らしかった。
「勝って胴上げしたかったけど、気持ちよくてうれしかった。選手たちと充実した毎日を過ごせた。感謝というか、そういう気持ちがあります」
甲子園での胴上げを逃し、マジック「1」で広島の2軍本拠地に乗り込んだ。先発したD1位・馬場(仙台大)が3被弾で4失点。打線も6人の継投の前に4安打無得点に抑えられた。1時間半後、マジック対象の2位ソフトバンクがタマホーム筑後でオリックスに敗れると、指揮官は少し胸をなで下ろし、残っていたファンと喜びを分かち合った。
「超積極的」
「諦めない」
「誰かを喜ばせる」
1月31日。育成がメインの2軍とはいえ前年の最下位から巻き返すべく、高知・安芸市内の宿舎でスローガンを発表した。監督として「選手の声を聞くこと」を信条とし、常に目を光らせた。