2018.7.27 12:00

【ダッグアウトの裏側】エンゼルスが反論する異例の事態に…トラウトをやり玉に挙げたコミッショナーの“失言”

【ダッグアウトの裏側】

エンゼルスが反論する異例の事態に…トラウトをやり玉に挙げたコミッショナーの“失言”

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ダッグアウトの裏側
トラウトは球宴でも本塁打をかっ飛ばした(AP)

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 不用意なコメントというより失言だ。米大リーグのロブ・マンフレッド・コミッショナー(59)の発言に、エンゼルスが反論する異例の事態が起きた。

 「マーケティングには選手の協力が欠かせない。もっと積極的に参加すれば、彼の価値をさらに高められる」

 ワシントンでオールスター戦が行われた17日、マンフレッド・コミッショナーが大リーグのイベントに非協力的だと指摘したのは、エ軍のマイク・トラウト外野手(26)。すでにMVPを2度受賞している現役トップクラスの選手だが、プライベートの時間を優先してWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)や本塁打競争への参加を拒んでいることなどが不満のようだ。

 これにはエ軍が公然と反論。トラウトがプレー以外でも大リーグに多大な貢献をしていると擁護し、慈善活動に熱心で子供たちの模範にもなっているという声明を発表した。ロサンゼルスの地元メディアもコミッショナーに反発する中、トラウト本人は大人の対応で事態を収束させた。

 「コミッショナーとの関係に問題はない。前へ進もう。自分はプレーする準備ができている」

 たとえ本塁打競争に出なくても、トラウトは2014、15年の球宴で史上初の2年連続MVPに輝いている。今季も本塁打を放った。スーパースターとしてファンの期待に十分応えている。

 むしろ最近の問題はコミッショナー側にある。三振か本塁打という大味な傾向が強まり、極端な守備シフトも浸透。前半戦終了時点で大リーグ全体の打率・247は、ア・リーグがDH制を導入した1972年以降で最低となった。30球団の観客動員数は6月の時点で昨季より10%近くも減少している。

 思い通りに進まないフラストレーションから、トラウトをやり玉に挙げたのなら見当違い。コミッショナーへの逆風が強くなった。

田代学(たしろ・まなぶ)

サンケイスポーツ編集局次長。1991年入社。プロ野球や五輪担当などを経て、2001年から13年11月まで米国駐在の大リーグ担当キャップ。全米野球記者協会の理事や、13年ワールドシリーズの公式記録員を日本人記者で初めて務めた。米国での愛称は「ガク」。

  • MLBのマンフレッド・コミッショナー
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