阪神・糸井嘉男【拡大】
怪物を知る者は、怪物だ。無我夢中で自らを鍛え抜くうち、ファンだけでなくライバルのド肝も抜く力を手にしてしまった-。そんな2人が、いきなり甲子園で激突する。交流戦の「楽しみ」を問われた糸井が即座に思い浮かべたのは、あのフルスイングだった。
「怪物に会えることやな」
怪物…? 報道陣が食い下がる。
「トリプルフォーのヤツや」
と、トリプルフォー!? 打率4割、40本塁打、40盗塁!? そんな人間離れした数字に迫れそうな男は、一人しかいない。2015年にすでに「トリプルスリー」は達成。サイクル安打も達成した今季は、5月突入後にも関わらず一時打率4割を上回った、ソフトバンク・柳田悠岐その人だ。
5連勝という今季最高の勢いで交流戦へ挑む虎に、超人が「怪物」とまでたとえる男が立ちはだかる。29日からの3連戦(甲子園)へ向けて、この日神戸市内のチーム宿舎に入った柳田に対し、サンケイスポーツは糸井の言葉を伝えた。すると糸井同様に、どこまでも率直な答えが返ってきた。
「何言ってんすか。(糸井さんこそ)化け物でしょ、モンスター。久々に試合ができるんで、楽しみです」
糸井が「怪物」と思っていた男も、糸井のことを「化け物」と、最大級に警戒していた-。