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【ワンス・アポン・ア・タイム(4)】バッキー氏「思い出の中には常にオクサンがいる」

【ワンス・アポン・ア・タイム(4)】

バッキー氏「思い出の中には常にオクサンがいる」

特集:
ワンス・アポン・ア・タイム
現役時代のバッキー氏(右)と吉田義男氏(左)。阪神での日々は、バッキー氏にとって大切な思い出だ(本人提供写真)

現役時代のバッキー氏(右)と吉田義男氏(左)。阪神での日々は、バッキー氏にとって大切な思い出だ(本人提供写真)【拡大】

★取材後記

 丸2日。あるときは食事をしながら、あるときは昔の映像を見ながら、朝から晩まで阪神時代のことはもちろん引退後の生活、子供たちの成長、孫やひ孫の話を聞いた。

 「泊まっていけ」という。それは辞退した。とにかく気を使う人。歩くのが不自由なバッキーにそれ以上、気を使わせたくなかった。

 車ではどんなところにでも出かけていく。生まれ育った家、教壇に立った中学校、母校の野球の試合。行く先々で懐かしげに思い出を語る。子供たちにプレゼントされた庭のブランコでは、一緒にワインも飲んだ。

 「人生、長いなんて嘘だ(笑)。ここまであっという間だった」

 取材2日目の夜、娘さんたちも交えて食事をした。「できればもう一度、この目で甲子園を見てみたい」。思い出を楽しげに語っていたバッキーが、ふいにそう漏らすと、涙が頬を伝った。

 その思いをかなえられないだろうか。もし、メッセンジャーが通算100勝に達するその日、そこにバッキーが居合わせることができたら-。

 そんなことを考えながら、ラファイエットを後にした。 (シアトル通信員=丹羽政善)

ジーン・バッキー(Gene Bacque)

 元投手。1937年8月12日、米ルイジアナ州出身、80歳。サウスウエスタン・ルイジアナ大からマイナーリーグを経て62年8月に阪神にテスト入団。上手、横手からの変幻自在な投法とナックルボールを武器に、64年に29勝9敗、防御率1・89で最多勝、最優秀防御率に輝き、外国人投手初の沢村賞を受賞。チームを優勝に導いた。同年のシーズン200奪三振は2014年にメッセンジャー(226奪三振)に抜かれるまで、阪神の外国人投手のシーズン最多記録だった。1965年6月28日の巨人戦(甲子園)ではノーヒットノーランを記録。69年に近鉄に移籍し、同年引退。通算8年で251試合登板、100勝80敗、防御率2・34。現役時代は1メートル91、91キロ。右投げ右打ち。

  • 自宅で家族と写真におさまるバッキー氏(本人提供写真)
  • 骨折した親指を見せるバッキー氏
  • バッキー氏の牧場(撮影・丹羽政善通信員)
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