阪神・高山俊と話す阪神・中村豊コーチ、阪神・福留孝介 =横浜スタジアム(撮影・村本聡)【拡大】
柔らかい日が落ちていく。午後5時。真っ白なLED照明が灯された。闇が広がり、もやも出てくる。神聖なムードに包まれた中、高山の熱い吐息が静かに響いていた。
「そりゃ、そうよ。当然ですよ。そういう姿勢も大事だし。当然といえば当然。2試合分ぐらい、返してもらわんと」
金本監督が三塁ベンチに座りながら、高山に“倍返し”指令を出した。
薄暮の中で初のナイター練習。新しい人工芝や寒さ対策などにより、投内連係やノックと守備面に多くの時間を割いた。1人、また1人と打球捕を終え、ベンチ裏に下がってフリー打撃に備える中、高山は最後まで1球1球しっかりと腰を落とし、白球を追っていた。自らのフリー打撃は最後の組で、時間にして約45分に及んだ。
1日の巨人戦。2点リードの四回無死一塁でゲレーロの中堅左を襲うライナーを高山がこぼした。記録は二塁打も無死二、三塁と傷口を広げ、その後、秋山が岡本に逆転3ラン…。「長くレギュラーをはる人はヘマしない。イージーなミスはしないよ」。虎将の厳しい言葉は変わらなかったが、4日の相手先発が右腕の飯塚であることを問われると「明日も右(投手)なんかな。右やと、出るでしょう」と「1番・中堅」を断言。“心中”覚悟を示した。