北條の年度別打撃成績【拡大】
新助っ人ロサリオ、昨年20発の中谷、そしてベテラントリオ…。居並ぶ打の主役たちを押しのけるように打ちまくった。北條のバットが火を噴く。フリー打撃でポン、ポン、ポン、ポン、ポンと5連発を含む8本のサク越え。62スイングの中身はアーチ数以上に内容、迫力が伴っていた。
「まだ練習ですが、いい形かなと。それを続けられるようにしたい。去年もこの時期は良かったので」
自己分析はしっかりできている。今がよくても…。金本監督が自信を持ってショートのレギュラーを約束したのが昨年のキャンプ。だが、シーズンの結果は散々だった。一昨年に比べると122試合出場が83試合に激減し、2軍落ちも。過ちは繰り返したくない。
熱視線を送り、特打では直接指導も行った指揮官も「よくなったね。いいときの状態が戻ったかな」と現状は高く評価。もちろん、昨年の失速も忘れていない。
「結局、仕掛け、始動が早くても、トップを作るのが遅かったから。打ちにいったときに、球がベースの上にきていたからね。それを自分で見つけなさい、とね」
アドバイスを送りつつ、自分ではい上がってこいと突き放す。
「あとは彼がどれだけ試合でできるか。昨年、あのままやっていたら、普通にレギュラーだったのになぁ」
将自ら「もう遅いよ」「遅かったな」「残念やったな」と冗談で声を掛けると「いやっ、大丈夫っす」と答えたという背番号2。今年の北條はひと味違うと信じよう。