2017.12.29 12:00

【ダッグアウトの裏側】大谷に新人王の資格は? 物議醸した松井氏のような事態には発展しないはず

【ダッグアウトの裏側】

大谷に新人王の資格は? 物議醸した松井氏のような事態には発展しないはず

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ダッグアウトの裏側
12月9日、笑顔でエンゼルスの入団会見に臨んだ大谷

12月9日、笑顔でエンゼルスの入団会見に臨んだ大谷【拡大】

 今年は手違いがあって、米野球殿堂入り選手を選ぶ投票用紙が25日に届いた。31日が締め切り。すでに投票する選手は決めてあったので、すぐに送り返した。

 アルファベット順に33人が並んだ投票用紙の真ん中には「Hideki Matsui」の名前があった。日本選手で候補になったのは2013年の野茂英雄氏に続いて2人目だが、殿堂入りには得票率75%以上(昨年は442票中332票)が必要。2009年ワールドシリーズMVP以外に個人タイトルはない松井秀喜氏が選出される可能性は低く、翌年の投票用紙に名前が残るために必要な得票率5%さえ難しい。

 松井氏にまつわる記者投票で思い出すのは、2003年のア・リーグ新人王だ。ロイヤルズの遊撃手、アンヘル・ベロアに4点差で惜敗。複数の記者が日本プロ野球の実績から「新人ではない」と主張して、3位以内にさえ入れなかったことが問題となった。

 発表から約1カ月後、ウインター・ミーティング中にあった全米野球記者協会(BBWAA)の総会でジャック・オコネル事務局長が強い口調で呼びかけた。「新人の資格は明記されている通りだ。過去にどこのリーグでプレーしていても関係ない。このルールに従って投票できない記者は、投票権を返上してほしい」。そして「打者なら130打席、投手なら投球回数50以下」などの新人資格を復唱した。

 2000年に佐々木主浩、01年にはイチロー(ともにマリナーズ)が新人王を受賞。日本選手による新人王独占を防ごうというムードに警鐘を鳴らしたオコネル事務局長は、その理由をこう語った。「1947年の最初の新人王は28歳のジャッキー・ロビンソン。彼はニグロリーグでのプレー経験があった」。歴史を大切にし、ルールを順守する姿勢に感銘を受けた記憶が残っている。

 来季は大谷翔平が海を渡る。再び新人王の資格論争が起きても、松井氏のような事態には発展しないはずだ。

田代学(たしろ・まなぶ)

サンケイスポーツ編集局次長。1991年入社。プロ野球や五輪担当などを経て、2001年から13年11月まで米国駐在の大リーグ担当キャップ。全米野球記者協会の理事や、13年ワールドシリーズの公式記録員を日本人記者で初めて務めた。米国での愛称は「ガク」。

  • 筆者の手元に届いた米野球殿堂入り選手投票用紙。中央上から6番目に松井秀喜氏の名前がある
  • 松井秀喜氏は2003年惜しくも米大リーグの新人王を逃した
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