DeNA・今永昇太【拡大】
金本監督の就任3年目に向けて、秋季練習をスタートさせた阪神が、キーポイントとなる先発補強に向けて動き出していた。補強ポイントの左腕不足を解消するために台湾のアマNO・1左腕、呂彦青をターゲットにしていることが分かった。球団関係者は「リストアップしているのは事実です」と認めた。
呂彦青は1メートル78、70キロの左腕。細身から繰り出される直球は最速148キロをマークし、鋭いスライダー、チェンジアップを武器にしている。今季11勝を挙げ、23日のクライマックスシリーズ、第4戦で緊急リリーフしたDeNA・今永を想起させる投球フォームと柔らかい体のしなりが魅力的だ。
10月に台湾で行われたアマチュア野球のアジア選手権では台湾のエースとして日本との決勝戦で先発した。26日のドラフト会議で1位指名が確実な最速152キロ左腕、JR東日本・田嶋大樹投手(21)と投げ合い、五回途中4失点(自責3)。味方の失策もあって降板したが、四回まで日本打線をわずか1安打に抑える好投をみせた。視察していた日本のスカウト陣に強烈な印象を与え、あるスカウトは「田嶋よりもよかった。日本でも通用するだろう」と高評価。阪神の編成担当者も複数でかけつけ、熱視線を送っていたわけだ。
阪神との縁もある。呂の恩師は1993年から6年間で阪神でプレーし、通算27勝をあげた郭李建夫氏(48)。1992年バルセロナ五輪で銀メダルを獲得した郭李氏は99年から台湾球界に復帰。アマチュアの代表監督を務め、呂彦青を指導した。