キャッチボールする阪神・メッセンジャー=甲子園球場(撮影・二星昭子)【拡大】
下克上への第一歩を踏み出す日がやってきた。気持ちの高ぶりはまだ、ない。だが、その言葉からは短期決戦にかける強い意気込みが伝わってきた。14日の初戦は、メッセンジャーが出陣。中3日だっていとわない。チームのためにフル回転する男気を口にした。
「(金本)監督ともそういう話をさせてもらった。『必要と思ったらどんどんためらわずに使ってください』と」
当然と言わんばかりに何度もうなずいた。プレーオフ真っ最中の米大リーグでは、チームの大黒柱が短い間隔で投げまくるのが常識。助っ人の考えも同じで、ここで投げるのがエースの仕事。「そのために手術を受けた。ここで投げるイメージをして、準備をしてきた」と言い切った。
ただ、10日の中日戦(甲子園)で右足腓骨骨折から1軍復帰したばかり。首脳陣としても無理をさせて大丈夫なのか、という不安はあった。実際、金本監督も悩んでいた。故障明けのリスクを考え、CS開幕を秋山や能見に任せる可能性もあったが、将は「いやぁ、迷いましたね」と苦笑いしながらも決断。任せるからにはリミットは設けない。「良ければ100球を超えようが、110、120球いこうが、球威が落ちなければ投げてもらう」。3戦までもつれれば、リリーフ陣の3連投は必至。初戦で長いイニングを投げることがチームを助けることにつながる。