ヒーローインタビューを受ける阪神・岩田=阪神甲子園球場(撮影・岩川晋也)【拡大】
痩せにくい体質だが、5月頃から食事の量を減らし、週2回ほどだったウエートトレは3~4回に増やした。毎朝体重もチェックし、公称94キロから5、6キロ減に成功。スリムになると腕の振りがより鋭く、スライダーのキレも増した。必死にあがき、もがいた先に、ご褒美が待っていた。
「『おっちゃんでもがんばっているよ』って」
スタンドには、自身と同じく1型糖尿病と戦う子供たち10組20名を招待していた。昨年は電話でしか交流ができなかったが、大声援を浴びる姿を披露できた。「きょう1つ勝てた。ここからがスタートなんで」。夢をかなえよう、共に-。再び歩み出した岩田が、虎投をより強固なモノとする。 (西垣戸理大)
★金本監督から直球を生かせ
前日26日の練習中、甲子園のグラウンドで金本監督が岩田にアドバイスを与えていた。変化球多彩でゴロアウトを得意としていた岩田に対し、指揮官はツーシームに頼りすぎず本来の力強い直球と縦割れスライダーを生かすことを求めた。岩田は「自分も考えるところもあって、真っすぐにこだわって投げています」と答え、虎将は「その通り投げればいいよ」とうなずいた。2008年には10勝をマーク。いい頃を知る2人の呼吸が合った上での今季初勝利だった。