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【昭和野球列伝】阪急・今井雄太郎、完全試合でW災難

【昭和野球列伝】

阪急・今井雄太郎、完全試合でW災難

特集:
球界野球列伝
完全試合を達成し、ナインから胴上げされる今井。打たせて取る投球が冴え渡った

完全試合を達成し、ナインから胴上げされる今井。打たせて取る投球が冴え渡った【拡大】

★「記念品」代金、仰天180万円!

 不正投球の疑惑はすぐに濡れ衣と判明したが、完全試合のあと、今井はもうひとつの災難に見舞われる。金田監督からクレームがついた9月5日の試合前、阪急百貨店の専務が今井を訪ねてきていた。

 「『完全試合をやったんだから記念品をつくらなきゃ』て言うんよ。そらそうだなと思った。ゴルフでもホールインワンしたら何か配るもんね。『代金はいつでもいいよ』とも言うわけさ。じゃ、お願いします、と」

 記念品を完全試合達成の瞬間の写真を焼き込んだ絵皿時計に決めて発注したが、今井は何しろ人がいい。チームメート、監督、コーチ、スタッフ、社会人時代、高校、こどものころにお世話になった人、担当記者…。100、200、250…どんどん数が増えていった。そして時計の発送が終わった後、「いつでもいい」と言われて確認していなかった金額を聞いて仰天する。

 「180万円!?」

 39年前、サラリーマンの平均年収が260万円だった時代だ。昭和53年の今井の年俸はまだ300万円に届いていなかった。

 「家内(恵美子さん)が怒った、怒った。『アンタ、自分の年俸いくらや思うてんの』てね」

 その年、13勝を挙げた今井の年俸はオフに倍以上の790万円に上がった。

 「それでまあ何とかなったばってん…。気をつけなアカンよ。『いつでもいい』は『いつかは払う』ということやからね」

 完全試合達成で自信をつかんだ今井が得た、もうひとつの教訓だった。

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  • 力投する今井。ロッテ・金田監督は、眼鏡のフレームに何か塗っているとクレームをつけたが…
  • 記念品の絵皿時計を紹介する今井。年俸が上がってよかった、という笑顔です
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