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【球界ここだけの話(793)】難病「潰瘍性大腸炎」を抱えるオリックス育成D5・中道を前に向かせた医師の言葉とサポート体制

【球界ここだけの話(793)】

難病「潰瘍性大腸炎」を抱えるオリックス育成D5・中道を前に向かせた医師の言葉とサポート体制

ブルペンで捕手を務めるオリックス育成D5位・中道勝士捕手

ブルペンで捕手を務めるオリックス育成D5位・中道勝士捕手【拡大】

 球団はあらゆるケースを想定し、昨年1月に発症した同じ病を乗り越え、1軍で活躍する安達了一内野手(29)が通院する兵庫県内の病院を手配。安達の担当医の診察を受けられるよう、万全を期していた。綿密なサポート体制も大きな支えになった。

 とはいえ、8週間の投薬治療が必要とあり、当初は球団も入寮日を未定にし、春季キャンプ不参加の方針を示していた。中道はその間、奈良の実家で静養。大事にしたのは“これまで通り”の生活だった。

 「ここで自分を見失えば、すべてが終わると思ったので、先生に言われた通り、しっかり薬をのんで休むということをやっていました。できるだけ、普通に過ごそうと思っていました」

 病気について、知識を蓄えることも心がけた。「潰瘍性大腸炎の本を買ってみたり、こういうのが駄目とか、効果がいいよ、とか調べて。一番は精神的な病気と聞いたので、なるべく楽に物事を考えようとしています」。生ものを避けるなど食生活にも気を配る。幸い、経過は良好。1月12日に入寮を終え、現在は定期検査で体調を確認しながら、練習を積めている。医師の許可が下りれば、春季キャンプに参加できるまでに回復した。

 もちろん、周囲への感謝は尽きない。自身の病気がニュースになると、明大の同級生で中日D1位・柳裕也投手(22)がすぐに連絡をくれた。先日の明大優勝祝賀会では、母校の大先輩の楽天・星野仙一副会長(69)が「無理せず、頑張れよ」と声をかけてくれた。選手寮には潰瘍性大腸炎の患者から、励ましの手紙が日々、届いている。

 今後の目標は? そう尋ねると、22歳の若武者は一呼吸置いて、口を開いた。

 「いろんな方のサポートに本当に感謝しています。支配下登録はもちろんなんですけど、中道を獲ってよかったと思っていただけるように、野球以外でもしっかりやっていきたいです」

 恩返しの戦いは始まったばかり。中道のグラウンドに立つ姿、活躍はきっと多くの人々の希望の光になるはずだ。(小松真也)

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