5回、走者一掃の適時2塁打を放つ阪神・上本博紀=ナゴヤドーム(撮影・松永渉平)【拡大】
(セ・リーグ、中日1-4阪神、25回戦、阪神14勝11敗、25日、ナゴヤD)岩貞をバットで勇気づけたのは上本だ。0-0の五回二死満塁。中日のルーキー、小笠原のチェンジアップを左中間に運び、走者一掃の二塁打となった。
「岩貞が0点(に抑えて)で粘っていたし、なんとか食らいついて、どんな形でもいいのでランナーをかえしたい、という気持ちだけでした」
意地の一打だ。二塁の先発争いに敗れたあげく、不振で1、2軍を行ったり来たりの日々。終盤になって調子は上向きつつある。七回には中前打を放ち、4点目のホームを踏んだ。8月下旬に1割台だった打率を・264まで戻したが、納得はしていない。
金本監督は「本来、彼は勝負強いところを持っている。期待はしとったけど、その通り、期待に応えてくれた」と目を細めた。残り3試合。上本は「僕たちはやることをやるしかないんで」と力を込めた。最後を、いい形で締めて来季へとつなげたい。 (三木建次)