試合後、リリーフカーに乗り、ファンに手を振る秋山。来季こそ頼むで!!【拡大】
今年の正月。愛媛・西条市の実家でのだんらんの中で野球の話題は出なかった。プロ1、2年目時は帰省する度、球界の話題を家族に提供していた。10年のルーキーイヤーに4勝をあげたが、そこから1勝しか上積みできず、悲壮感も漂わせていた。
父・正二さん(52)は「本人ががんばっているのはわかる。気持ちも切羽詰まっていた」と振り返る。リトルリーグ時代から責任感が強く、グラウンドで泣いても家で弱音はこぼさなかった。壁にぶち当たるたび、父からはLINE(無料通信アプリ)で「もっと気合だ!!」というメッセージが届いた。いつも既読スルーだったが、思いは通じていた。前回白星から16度目の先発で父のゲキに応えた。
秋山は「今後も使ってもらって活躍できるように、また明日からも頑張ります」と誓った。もう足踏みはしない。次の1勝を目指して力強く歩いていく。 (柏村翔)
先発の秋山について阪神・香田投手コーチ「シュートを覚えたことで投球の幅が広がった。打者の体に近いところに投げるのが苦手だったが、そういうボールを覚えて自信もついた。来季の先発候補? われわれとしても選択肢が増えることはいいことだし、チャンスだと思ってアピールしてほしい」