3回、本塁打を放ち、ハイタッチを交わす阪神・陽川(中)=鳴尾浜球場(撮影・永田直也)【拡大】
ガコン! 低い音が響いた。陽川が“2冠弾”で状態の良さを猛アピールだ。0-0の三回無死一、三塁から中日先発・山井の126キロをバックスクリーンに直撃させた。
「結果が出ることはいいことですが、1打席目(空振り三振)は球も甘くて、初回からチャンスで(走者を)進めることができれば点がとれたかもしれない。頑張ります」
仕事を果たしても表情を緩めず、すぐさま反省点を口にした。14号&62打点はウエスタン・リーグのトップ。ファーム2冠達成となれば、2013年の森田一成(16本塁打、69打点)以来となるが、成長を目指すからこそ満足はしていられなかった。
掛布2軍監督のもと、軸足のぶれを抑え、球を見る“間”を意識してきた打撃改善が数字になって表れてきた。さらに、将は「もっと余裕を持てば、自分有利のカウントになる。試合の状況判断ではなくて、自分と後ろの打者、自分の状態、相手バッテリーといろいろ考えての状況判断で、自分の打席を考えないといけないね」と注文をつけた。
「ボール球に手を出すことはわかっていて、選球眼を上げないといけないですね」
“眼力”を鍛えてタイトルも昇格へのチャンスもつかんでみせる。(新里公章)