2016.9.8 09:44

【ダッグアウトの裏側】衝撃的シーンで再び高まる“投手用ヘルメット”着用機運 2年前はダサくて広まらず

【ダッグアウトの裏側】

衝撃的シーンで再び高まる“投手用ヘルメット”着用機運 2年前はダサくて広まらず

特集:
ダッグアウトの裏側
シューメーカーの頭部に打球が直撃した(AP)

シューメーカーの頭部に打球が直撃した(AP)【拡大】

 米大リーグで再び、投手用ヘルメット着用の機運が高まりそうだ。

 エンゼルスのマット・シューメーカー投手(29)が4日(日本時間5日)のマリナーズ戦(シアトル)でライナーを右側頭部に受け、昏倒した。マ軍の岩隈久志投手と投げ合っていたので、衝撃的なシーンを目の当たりにした読者も多いだろう。

 「野球場で見た、最も恐ろしい光景」と打球を放ったマ軍のカイル・シーガー内野手も震え上がった。米メディアによると、打球の速度は105マイル(169キロ)に達していた。かつて日本のスポーツ用品メーカーは「140キロの打球が固定物に衝突した場合、最大3トンの負荷がかかる」とのデータを発表。それに換算すれば、体重155キロの横綱白鵬の約20人分以上が、いっぺんに頭の上にのったことになる。

 自力で歩いて交代したものの、シューメーカーは病院へ直行。頭蓋骨の亀裂骨折と血腫が見つかり、緊急手術を受けた。直後は2、3時間おきにCTスキャンで検査を受けていたというが、6日に退院した。

 大リーグでは近年、投手が頭部に打球を受けて負傷するたび、投手用ヘルメットの着用が検討されてきた。今春キャンプ前には大リーグ機構と選手会が共同で開発。カーボンファイバー製で打者用より軽く、サンバイザーのような形状の新型ヘルメットを製作した。

 2014年6月、当時メッツのアレックス・トーレス投手が、大リーグで初めて投手用ヘルメットを着用したが広まらなかった。守備に自信のある投手は、もちろんプライドが許さない。テストを兼ねてかぶると、敵ばかりか味方からもからかわれるほど、巨大でデザインもひどかった。

 昔より投手の球速も、打者のパワーも格段に上がっているのに、投手板から本塁までの距離(18・44メートル)は変わっていないのだから事故は増える。ヘルメット着用の義務化が先か、それとも死亡事故が起きるのが先か-。

田代学(たしろ・まなぶ)

サンケイスポーツ一般スポーツ担当部長。1991年入社。プロ野球や五輪担当などを経て、2001年から13年11月まで米国駐在の大リーグ担当キャップ。全米野球記者協会の理事や、13年ワールドシリーズの公式記録員を日本人記者で初めて務めた。米国での愛称は「ガク」

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