2016.7.24 13:00

【球界ここだけの話(612)】竜を支える元カープ戦士「新井(貴浩)があれだけ打つなんてね」

【球界ここだけの話(612)】

竜を支える元カープ戦士「新井(貴浩)があれだけ打つなんてね」

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サンスポ記者の球界ここだけの話
2014年シーズン、当時阪神の新井をおんぶする中日のブルペン捕手兼通訳のルイス(左)

2014年シーズン、当時阪神の新井をおんぶする中日のブルペン捕手兼通訳のルイス(左)【拡大】

 とある取材で、竜を支える“助っ人”の名前が出てきた。

 「ルイスは中日で今もがんばっていますか? あいつには、いろいろ感心させられたなぁ」

 声の主は、東京都渋谷区代官山にある『2-3Cafe Dining』を営む元広島の投手、小林敦司さんだ。そして、ルイスとは、現在中日でブルペン捕手兼通訳、ときには打撃投手もつとめるルイス・フランシスのことだ。

 「ドミニカのカープアカデミーでは世話になったんです。広島の2軍でもよくボールを受けてもらった。低い姿勢で構えてくれてね。普段も日本人より、日本人の気持ちがわかるやつだった」と、小林さんが懐かしそうに振り返る。

 ルイスは、1994年にドミニカ共和国のカープアカデミーに入学した。97年からは広島の2軍でブルペン捕手。その後、中日が獲得し、今では中南米の選手の兄貴分として相談にのるなど、欠かせない存在になっている。記者も、助っ人の通訳として、日々お世話になっている。彼がすごいのは、日本の野球だけでなく、文化にも精通していることだ。

 「だって、20年も日本にいるんだから。もっと日本語も上手じゃなきゃいけない。長谷川さんが逆の立場だったら、そうでしょ」

 普段は冗談を言い合う仲だが、元来は真面目なのだ。性格に関しては、カープアカデミーで厳しく鍛えられたという。

 「僕は練習は好きな方だったけど、阿南(準郎)さん(元広島監督)は厳しかったね。それが今に生きている。ドミニカで、練習中に『声を出せ!』とか言われたのは、カープだけだった」

 自由奔放なプレースタイルに規律を持ち込んだチームは、他のメジャーリーグが支援するアカデミーとのトーナメントでも部類の強さを誇ったという。

 「30チームぐらいあったけど、いつも優勝していたよ。それぐらい練習もしていたから」

 そんな原石の中に、ヤンキースなどで活躍し、メジャー通算2095安打を放ったアルフォンソ・ソリアーノがいたのは、よく知られた話だ。

 「一緒に広島に来たんだよね。アカデミーではソリアーノは補欠。でも阿南さんは、ずっとバッティング練習につき合っていたよ。嫉妬するぐらい。僕はというと、練習前に、ひたすらセカンドスローをやらされたね。あれはきつかったなぁ」

 カープアカデミーで、日本野球をたたき込まれたルイスが、バルデスやジョーダンら竜の助っ人投手を支えているのだから運命はわからない。

 「中日には感謝しているけど、カープにも本当に感謝しているよ」

 そして、元鯉戦士は今のカープの快進撃に少しだけほくそ笑む。

 「新井(貴浩)があれだけ打つなんてね。僕ら同級生だから、会ったらよく話はする。でも野球の話以外ね。またオフに食事したいね」

 中日が低迷して複雑な思いもあるだろうが、ルイスが25年ぶりの優勝に突き進む古巣に、温かいまなざしを送っている。(長谷川稔)

 

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