完封勝利しヒーローインタビューの阪神・岩貞=東京ドーム(撮影・松永渉平)【拡大】
(セ・リーグ、巨人0-1阪神、8回戦、巨人4勝3敗1分、27日、東京D)2連敗中の阪神は防御率2位の岩貞祐太投手(24)が先発し、126球を投げきって3安打4四球の好投。プロ入り3年目で初対戦となる巨人を相手に、プロ初完投初完封で伝統の一戦を制した。
阪神は一回一死から板山が四球で出塁すると、福留の左前打で一、二塁。ゴメスは先発・菅野の3球目を遊撃内野安打とし、遊撃・坂本が三塁へ悪送球。その間に二走・板山が生還し、先制した。続く原口が死球で一死満塁と好機を広げたが、高山が遊ゴロ併殺打で攻撃を終えた。
その裏、岩貞は巨人打線を三者凡退に斬ると、二回、三回は走者を出しながらも一塁から進ませず。四回、2四球で無死一、二塁とピンチを招いたが、4番・クルーズを低めの真っすぐで遊ゴロ併殺打に打ち取る。二死三塁で長野にこの回3つ目となる四球を与えたが、岡本を空振り三振とし、無失点で切り抜けた。
六回、七回にそれぞれ安打を打たれながらも、ゼロを重ねた左腕は、九回もマウンドへ。クルーズを右飛、長野を中飛。そして最後は代打・相川を左飛に打ち取ると、マウンドでガッツポーズ。4勝目(2敗)をプロ3年目で初完投初完封を飾った。
ヒーローインタビューで岩貞は、元気に「ありがとうございます」とあいさつすると、スタンドに一礼。「気持ちいい」と笑顔を見せ、プロ初完投初完封へ九回の投球内容には「自分でも九回というのを考えないでいこうと思ったんですけど、ボールに表れていましたね」と意識していたことを明かした。
この日の相手は防御率1位のエース・菅野。「初回に1点を取ってもらっていたので、『この1点を守り抜けば勝てる』というのを自分に言い聞かせて投げました」とコメント。八回投球後、ベンチでコーチ陣と話した際に「続投したいなと思っていて、コーチも続投だと言ったので、最後まで投げきるつもりでいました」と舞台裏を明かすと、スタンドの虎党からは大きな歓声が沸き起こった。
伝統の一戦でのプロ初完投初完封に「鳥肌が立ちました」と話した岩貞。チームもこれで勝率を5割に戻し、3位に浮上。「あす、あさってと3タテして、いい勢いで交流戦に入りたい」と意気込んだ。
金本監督は「最後の最後まで怖かったんですけどね。まぁ、すばらしいピッチングで、参りました」とたたえると、1点差での続投に「岩貞と心中です。打たれても悔いはない」ときっぱり。「菅野に投げ勝ったことを自信にしてほしい」と今後の活躍に期待した。
原口「(岩貞は)腕がしっかり振れていた。チェンジアップも効果的に使えた」
阪神・香田投手コーチ(岩貞に)「やってくれたね。巨人戦で1-0の完封ができたら、自信が確信に近くなるんじゃないか」