お立ち台で笑みを浮かべる板山(右)と岩貞(左)。初々しいヒーローインタビューだった【拡大】
根性が乗り移った打球が、一、二塁間をしぶとく破った。高山に続き、二走・鳥谷まで生還。板山の「シャー!」という雄たけびが、濡れた聖地に響き渡った。“虎の子の2点”をたたき出した。
「6位で入って、(D1位の)高山があれだけ活躍して(自分が)こんなに早く出られると思ってませんでした。まったく想像できませんでした。一生懸命練習して、よかったです」
福留が左太もも裏を痛め、2試合連続で「5番・右翼」に座った。一回一死満塁。先発・小川のカットボールを積極的に打ちにいった。出場5試合連続安打となる右前への2点打で先制に成功。「ルーキーの板山です。ルーキーは高山だけじゃないので、応援よろしくお願いします!」。初のお立ち台で、あえて同期の名を口にした。
その反骨心のルーツは中学生になって横浜・中本牧シニアに入団した時に生まれた。週末になり、グラブとバットを用意しても、グラウンドの中にすら入れてもらえなかった。