その後はすかさず石崎(左から2人目)に配球のアドバイスをした【拡大】
貫禄も器のでかさも違う。福留がシート打撃で石崎、守屋から“当たりまえ打”の連続中前打。自己管理能力の高さを結果で示した。
「生きた球を見れたということが収穫ですね」
眉一つ動かさず、淡々と振り返った。沖縄・宜野座での今季初の実戦形式の打撃(21日)では藤川から強烈な中前打を放つなど計4打数2安打。場所を移しても好調の波に乗るベテランに掛布2軍監督は「順調そうだね」と目を細めた。
打って終わりではない。打撃練習後も石崎、守屋に配球面でのアドバイスを送った。スライダーで空振りをとり、2球続けたところで痛打された守屋は「『1球目の空振りよりいい球を投げないと、同じ球種は難しい』と。一流の投手を見てこられた方ですから」と感謝した。外野守備では一二三に足の運び方の方法を提案するなど、38歳は惜しみなく“メシを食う方法”を伝える。
「僕からいろいろ話したほうが話しやすいと思うし、ふんぞり返るつもりはないですよ。なにかの力になれれば」
戦力の底上げは頂点を目指すチームの永遠の宿題。福留先生がプライスレスのレッスンを続けていく。 (新里公章)