「19勝しなさい」。金本監督は録音出演で厳命した【拡大】
当然といわんばかりの口調だった。ラジオ番組に出演中の藤浪の耳に、金本監督の厳しいノルマを告げる声が届いた。視聴者プレゼントのキーワード「19」を発表した直後。右腕の背番号にかけたもの、と誰もが思ったが、指揮官の真意は違った。
「(藤浪の)背番号じゃないよ。19勝しなさい。経験も積んだ。大黒柱になってください。期待しています」
事前に収録されたものとはいえ、金本監督から具体的な数字を言われるのはこれが初めてだったという。生番組内でのサプライズ発表に「背番号と思ったので…」と思わず苦笑したが、すぐさま高い壁の向こうを見据えた。
「(勝ち星は)運の要素も強いが、失点が少なく、イニングも伸ばせれば、自然と近づくと思います。そのあとに19勝がついてくればいい。そのへんが自分の努力すべきことです」
今季は14勝7敗、投球回は199、防御率2・40という好成績を残したが、シーズン終了後に「右肩関節の炎症」と診断され、年内はノースロー調整だが、「今は、筋肉を大きくする時期。ガツガツ、トレーニングしています。キャンプには余裕で間に合うと思います」と力強い。強い向上心を持って進める来季への準備が、さらなる上積みを可能にする。