優勝し喜ぶ東海大相模ナイン=甲子園球場(撮影・山田喜貴)【拡大】
第97回全国高校野球選手権大会決勝(20日、仙台育英6-10東海大相模、甲子園)創設から100年の大会は東海大相模が10ー6で仙台育英を下し、45年ぶり2度目の優勝を果たした。同点の九回、エース小笠原が仙台育英の佐藤世から右翼席へ決勝アーチを放ち接戦にピリオドを打った。投げても小笠原は161球9安打6失点の粘りの投球で完投した。
仙台育英はこれまで541球を投げている佐藤世、東海大相模は最速151キロ左腕の小笠原と両エースが先発した。
東海大相模は一回、佐藤世の立上がりをとらえる。1番・千野が左前打、内野ゴロで一死二塁から3番・杉崎の右中間二塁打で先制。準決勝で一発を放った4番・豊田も左前適時打で続き、この回2点を挙げた。
仙台育英はその裏、1番・佐藤将は見逃し三振。小笠原のストレートの最速は148キロを記録。二死後、今大会3本塁打の3番・平沢が右前打で出塁すると盗塁と捕手の悪送球で三進、続く4番・郡司の四球で二死一、三塁の好機。しかし、小笠原が5番・百目木に140台のストレートの連投で内野ゴロに打ち取りピンチを脱した。
東海大相模は三回、3番・杉崎からの4連打で2点を追加した。
仙台育英はその裏、一死後、1番・佐藤将が遊ゴロ悪送球で二進出塁すると、2番・青木の中前適時打で1点を返す。3番・平沢が中堅二塁打でつなぐと、連続適時打で1点差に迫った。
東海大相模は四回、四球と犠打などで二死二塁から2番・宮地の左越え適時二塁打、4番・豊田の左前適時打で追加点。
仙台育英は六回、一死後、四球と連打で一死満塁の好機。9番・佐藤世は三球三振に倒れたが、1番・佐藤将が中堅左を抜く走者一掃の3点三塁打で同点に追い付く。
東海大相模は6-6の同点の九回、9番・小笠原が初球のフォークボールを右越え本塁打で勝ち越し、さらに3点を追加して逃げ切った。
東海大相模・門馬監督の話「うれしいという言葉では言い表せない。勝ったことが全てです。最後の試合だから、チーム全員を褒めたい。(昨年5月に死去した元監督の)原貢さんにいい報告ができる」
東海大相模・竹内左翼手(全試合で安打を記録して計8安打4打点)「自分の仕事をしっかり果たせた。野手が投手を楽にしてあげようという気持ちでやってきた」
東海大相模・川地三塁手(決勝はただ一人無安打)「1点にこだわる野球が最後も形に出てよかった。持ち味の守備の部分で貢献できた」
東海大相模・吉田投手(3試合で先発。決勝は登板機会なし)「日本一のために兵庫から相模に来た。最高の瞬間。小笠原が粘り強い投球をしてくれた。2人で3年間、苦しい練習をしてきてよかった」
東海大相模・千野二塁手(競り勝ちに)「同点にされても、ここからが勝負と気を引き締めてやっていた」