ヒーローインタビューを受ける阪神・江越=ナゴヤドーム(撮影・中島信生)【拡大】
「積極的にいくのが自分の持ち味なので、続けていきたいと思います」
初球を打てば、通算4打数3安打4打点。いずれも真ん中の球だが、しっかり打ち返す姿は打率・197の新人とは思えない。和田監督も迷わずほめた。「田島も又吉もサイドからスピードも出て、変化球のキレもいい。あれを打ち損じしないで、初めて見る球をひと振りで仕留めるとは。勝負強さをみせてくれている」。自身の魅力で堂々と勝負するルーキーは、もう大きな戦力だ。
東京ドームで開催中の都市対抗野球には、弟の海地さん(20)が三菱重工長崎の一員として出場した。23日にヤマハに初戦敗退。兄はテレビで観戦した。互いのプレーで忙しく、弟の試合を見たのは本当に久しぶり。その夜、「お疲れ」とだけメールを送った。慰めの言葉や助言は省略した。「日本選手権(今秋予定)もあるし、これで終わりではないので」。その思いを自分にも重ねた。
25日のDeNA戦で失点につながる悪送球(失策)をして、自分も切り替える立場。翌26日に初の猛打賞を記録すると、名古屋でも暴れた。前日28日は適時打を放ち、この日はヒーロー。試練を乗り越えた姿は、きっと弟にも届いたはずだ。