2015.1.23 11:30

【乾坤一筆】「モノが違う」清宮Jr.の未来に注目

特集:
ベテラン記者コラム・乾坤一筆
将来が有望な清宮。父親譲りの運動神経で甲子園出場を目指す

将来が有望な清宮。父親譲りの運動神経で甲子園出場を目指す【拡大】

 「10年に一人の逸材」「ドラフトの目玉」「超高校級」-。ドラフト会議の開かれる秋になると、将来有望なアマチュア選手の寸評や見出しが紙面を賑わす。運命の日にまつわる季語のようで、「モノが違う」もそのひとつだろう。

 1月、東京都内で“和製ベーブ・ルース”と評判の清宮幸太郎選手(15)=早実中3年、調布シニア=の打撃練習を見た。力強いスイングは中学生とは思えない。現役選手に例えると、同じ左打ちで昨季22本塁打のDeNA・筒香か。清宮を見たプロ野球のある主力選手は「モノが違いますね」と舌を巻いた。

 清宮の名声は2012年8月のリトルリーグ世界選手権で世界にとどろいた。東京北砂のエースで4番として世界一に輝いた。5試合で打率・667、3本塁打、6打点。パナマ戦で世界大会史上最長の94メートルの特大弾を放った。現在、身長1メートル84、体重100キロで、筒香(1メートル85、97キロ)と比べても遜色ない。堂々とした体格は父でラグビー・ヤマハ発動機の清宮克幸監督(47)をほうふつさせる。

 母の幸世さんによると、野球を始めたきっかけは早実・斎藤(現日本ハム)という。7歳だった06年8月21日。早実・斎藤と駒大苫小牧・田中(現ヤンキース)が投げ合った甲子園決勝の再試合を生観戦した。それまでラグビー、水泳が中心で野球とは縁がなかったが、両親に「早実で甲子園に行きたい」と決心したという。

 清宮は今春、早実高に進学する。球界のスター候補に斎藤は「僕も小学4年のとき、(横浜高のエースの)松坂さんを見て甲子園に行きたいと思った。負けないように頑張る」と刺激を受ける。

 あるプロ野球のスカウトは「モノが違う」と言う場合の基準を、「群を抜く成績を出す現状の力と潜在能力」と語る。ただ、「今は能力を数値化するので主観的な表現は避ける」とも。冒頭のような言葉はスカウト界では勢力を失いつつあるが、数字だけで若者の伸びしろをはかれないだろう。「清宮はモノが違う」-。記者はそんな直感を信じたい。

上野 亮治(うえの・りょうじ)

 2001年入社。ヤクルト、阪神、オリックス、巨人担当を経て、昨年から日本野球機構担当。鹿児島・鶴丸高野球部では主将。母校の甲子園出場を夢見る。早大では野球部に所属。36歳。

(紙面から)