バンクーバーの日系文化センター・博物館に展示されている朝日軍の記念写真(上西氏は不在)【拡大】
戦前、カナダのバンクーバーに、日系人の野球チームが実在した-。1870年代から多くの日本人が一獲千金の夢を求めて海を渡った。待ち受けていたのは、過酷な肉体労働や人種差別。そんな困難な時代に日系2世を中心に組織されたのが野球チーム「朝日軍」。バントや盗塁などを駆使して、大柄な白人チームを打ち破る姿は日系人の誇りだった。特命記者が、バンクーバー郊外の街に、存命する唯一の朝日軍の元プレーヤー、上西(かみにし)功一氏(92)を訪ね、そのルーツを追った。 (取材構成・峯岸弘行)