2014.10.30 05:04(2/3ページ)

和田虎、崖っ縁…呉、サヨナラ被弾でよもや3連敗「中途半端に」

先に王手をかけられて、引き揚げる和田監督。必ず甲子園に帰る!!

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 真っ赤に染まる右翼席に白球が吸い込まれた。大歓声に包まれたヤフオクドームの中心で鉄壁の守護神が崩れ落ちた。呉昇桓がサヨナラ被弾-。よもやの3連敗で一気に土俵際に追い込まれた。

 「ちょっと、中途半端になってしまった。いつもと変わりなかったが、本塁打を打たれたから違うように見えたのじゃないか。きょうは早く質問を終わってもらえますか。質問はもうダイジョウブですか?」

 敗者の通路。無表情から「石仏」と呼ばれる右腕は自嘲気味に笑った。それが、かえって、胸の内に渦巻く悔しさを如実に表していた。

 出番は延長十回一死一、二塁のピンチだった。シリーズの延長戦は十五回。2イニング目に入った安藤からバトンを受けた。ドームの天井を見上げ、集中力を高めると、勝負強い松田を3球ストレート勝負で二飛に仕留めた。続く中村も、あっという間に追い込んだ。しかし…。投じた5球目。内より高めの148キロ真っすぐを完ぺきに捉えられた。高々と舞い上がった打球を祈るように目で追ったが、最悪の結末が待っていた。

 直前の攻撃で打線は一死一、三塁の好機を生かせず、無得点に終わっていた。だからこそ、流れが傾きかねない局面、1点入れば、ジ・エンドの窮地で切り札として、投入されたが…。“神通力”は及ばなかった。

 ただ、和田監督は「もう勝負にいってのことやから」と責めず、中西投手コーチも「一番、自信のあるボールで勝負していたから」とかばった。

 呉昇桓が打たれたら仕方ない-。それだけの活躍を見せてきた。39セーブでタイトルを獲得し、クライマックスシリーズ(CS)では3イニング登板を果たすなど、全6試合に投げ、CSのMVPにも輝いた。その陰で、ヒーローインタビューを何度も辞退するなど、球団関係者は「疲れているのだと思う」と肉体以上に精神的疲労を心配していた。だが、右腕は弱音を吐くことなく、マウンドに立ち続けてきた。強い責任感で職務を全うしてきた。

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