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【ありがとう八十年(54)】広岡達朗、外野手・苑田を内野手に育てる

特集:
レジェンドが語るプロ野球史
ヤクルト監督時代に、評論家として球場を訪れた川上哲治元巨人監督(右)と

ヤクルト監督時代に、評論家として球場を訪れた川上哲治元巨人監督(右)と【拡大】

 しかし、根本さんも頑固で「やってくれ」の一点ばり。前年(69年)に法大から山本浩二が入団し、外野から押し出された苑田の素質を見抜いていたんだろう。結局は引き受けたが、最初のノックで前途多難だと感じた。そこで来る日も来る日も「体の正面で捕球すること」を教えた。私のノックはグラブを使わせない。ボールをつかみ取る感覚を覚え込ませるため、素手で捕らせた。

 引退からまだ4年目の38歳。下手な現役より体は動くから、ノックを受ける選手たちは大変だったと思う。苑田は自分の生活もかかっているから、必死で食らいついてきた。

 1年半が過ぎた頃、動きに変化が見え、思わず「うまい!」と叫んでしまった。「どうした?」と聞くと「言われた通りにやっているだけです」と答えてきた。この時ほどうれしかったことはない。

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(紙面から)