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【乾坤一筆】名将の横浜高・渡辺監督「否定からは何も生まれない」

特集:
ベテラン記者コラム・乾坤一筆
「否定からは何も生まれない」。横浜・渡辺監督の革新的な考えは全国の指導者に波及した

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 「A先生、甲子園で勝とうと思ったら、県外の選手を受け入れることもひとつの考え方です。否定から入っては何も生まれない。みんなが倒れかけても、その子だけが倒れず、チームが救われることもあります」

 大先輩からの助言。A監督の目からウロコが落ちた。積極的勧誘はいまも行っていないが、断り続けていた県外の入部希望者は、親類宅など通学できる環境が整っていることを条件に受け入れた。以来、チームは強さを増し、全国と渡り合えるようになった。

 サッカーW杯ブラジル大会で日本は敗退し、夏の高校野球地方大会が本格化する。野球留学に関しては、なおも批判が多いことを承知しているが、留学生には留学生の覚悟もある。賛否の議論は大いにありだが、渡辺監督の言葉を借りれば、物事の玄関先に「否定」の表札がかかっていては、確かに何も生まれない。

西村 浩一(にしむら・こういち)

 1987(昭和62)年入社。サンケイスポーツの記者として、巨人、大洋(現DeNA)、ヤクルトとセ・リーグ球団を担当。プロ野球、文化報道部などのデスクを経て、2012年10月から編集委員。プロ野球の現場へ15年ぶりに復帰した。人生訓は「ボウフラが 人を刺すよな蚊になるまでは 泥水飲み飲み 浮き沈み」。

(紙面から)