2014.5.22 12:00(2/2ページ)

【ありがとう八十年(14)】“新しい王貞治”の決断、生卵事件乗り越え…5年目で日本一

特集:
レジェンドが語るプロ野球史
2年目も不振。4連敗を喫した96年5月9日の近鉄戦後、チームの送迎バスに生卵が投げつけられた

2年目も不振。4連敗を喫した96年5月9日の近鉄戦後、チームの送迎バスに生卵が投げつけられた【拡大】

 大変なチームを引き受けたと思いました。選手たちは「優勝」から遠く離れたところで野球をやっていたんですよ。常勝を義務づけられている巨人の選手とは全く違う意識。モチベーションが低いんです。これはもう、やることは一つです。優勝争いの、あのドキドキ感を味わわせてやりたいと思いました。

 2年目の5月でしたか、日生球場での近鉄戦後、われわれの送迎バスに生卵がぶつけられる“事件”が起きました。あるスポーツ紙は、私の写真を黒枠(葬送の意)で囲いました。この年は最下位の6位ですからね。ファンの気持ちも分かりました。よーし、と思いました。選手と同様、ファンにも優勝争いのドキドキ感を味わってもらおう、と。

 念願がかなったのは5年目の99年です。リーグ優勝の余勢を駆って中日との日本シリーズも制し、日本一になりました。私は何でも遅咲きですね。巨人の監督でも初優勝は4年目でしたし、一本足打法で頭角を現したのも入団4年目。ダイエーは本当によく辛抱してくれました。いつ“クビ”になってもおかしくなかったのですから。

 残念だったのは、私を誘ってくれた根本さんが、この年の4月に亡くなったことです。一緒に日本一を祝いたかった。

 ◆現在、サンスポ紙面では金田正一氏を好評連載中です◆

(紙面から)