2013.1.15 05:02(2/4ページ)

桑田ら救った!ジョーブ医師のゴッドハンド

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 「ゴッドハンド(神の手)」は指が長く、大きくて柔らかかった。米ロサンゼルス空港から「カーラン・ジョーブ整形外科クリニック」までは、車で北へ約10分。オフィスで対面したジョーブ医師は、その手で多くの選手生命を救ってきた。

 「ちょうどスポーツ医学や手術の技術が発達し始めた時期で、手術を必要とする選手もいた。そういう良いタイミングに恵まれただけだ」

 世界的な権威となった今も、ジョーブ医師の謙虚な姿勢は変わらない。初めて大リーグの選手に肘の靱帯(じんたい)再建手術をしたのは、39年前の1974年9月25日だった。患者はチームドクターを務めていたドジャースの左腕、ジョンで、左肘の内側側副靱帯(じんたい)断裂の診断を下していた。投球過多など肘の酷使が原因で、当時の投手にとって、その診断は再起不能を意味した。

 「大事なのは手術の決断を下すまで熟考することだ。『成功率は1%』と言ったこともあった。彼の気持ちを確かめるためにね」とジョーブ医師。当時は、まだ比較できる症例がなく、復帰まで1年以上を要するリハビリのメニューも手探りになる。選手には揺るぎない決意を求め、信頼関係を築く必要があった。

 「ジョンは、とても頭がよく、肘の状態を的確に報告してくれた。この手術は私だけでは成功できない。(長いリハビリに対する)本人の強い意志と、リハビリを担当する理学療法士の3人が力を合わせなければならないんだ」

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