巨人・坂本勇×ヤクルト・山田哲、東京五輪は2人で二遊間!

新春スーパースター対談
坂本勇(右)と山田哲、球界を代表する強打者の新春対談が実現。リーダー論からプライベートの話題まで、語り尽くした (撮影・長尾みなみ)

 巨人・坂本勇人内野手(30)とヤクルト・山田哲人内野手(26)による豪華な新春対談が実現した。昨季は坂本勇が自己最高の打率.345をマークすれば、山田哲はプロ野球史上初となる3度目のトリプルスリー(打率.315、34本塁打、33盗塁)を達成。球界を代表する2人の天才が今季に懸ける思い、来年に迫った東京五輪での二遊間コンビ実現、さらには結婚観まで語り尽くした。女性ファンも必見です。 (取材構成・谷川直之、横山尚杜、長崎右)

 ――2012年1月、坂本選手が宮本慎也・現ヤクルトヘッドコーチの松山合同自主トレに参加した際に2人は出会った。互いの第一印象は

 坂本勇「最初はペコペコしていたけど、5日ぐらい経ったら、もう全然慣れていたよな」

 山田哲「オーラがあって、印象通りというか…。2日目、3日目と経っていくうちに気さくに話しかけてくださって、すごいしゃべりやすいなと思って、ガツガツいきました」

 ――初対面から7年が経ち、2人の関係に変化は

 坂本勇「哲人が活躍しだしたから、こっちも気を使う。年下とか関係なしに、選手として、自分のペースとかもあるだろうから、ご飯も誘いづらくなる」

 山田哲「僕は変わっていないですね。ずっと変わらない存在です」

 ――シーズン中や球宴などでの会話は

 坂本勇「あんまり野球の話はしいひんな(しない)」

 山田哲「野球の話はしないですね」

 坂本勇「哲人、あんまり野球の話は好きじゃないから。隠すタイプ…。普通の世間話が多いかな」

 ――山田選手は昨年、3度目のトリプルスリーを達成。坂本選手は自己最高の打率・345を記録した

 坂本勇「哲人はこの体でも毎年30本以上ホームランを打つし、走れる。すごい。プロ野球界を見渡しても、他にいない」

 山田哲「坂本さんは一番は勝負強さっていうところ。あとは毎年毎年、変えようとしているのが伝わってくる。今の成績でも十分なのに、それ以上を目指している姿を見る」

 ――同じ右打ちの内野手。ここだけは負けたくないところは

 坂本勇「頑張って勝てるのは守備くらいでしょ。ポジションは違うけど、ショートやから、守備では負けたくないな。それ以外は勝てないから。打率は勝つときはあるやろうけど、ホームランとか、きついっす。どうあがいても勝てないですよ」

 山田哲「全部負けていいです、僕は。坂本さんになら」

 ――新春対談ならではの初夢も。互いに将来はどんな選手になってほしい

 坂本勇「あと何回トリプルスリーをするのかな、という期待がある。もう3回もしているから。6回、7回したら一生抜かれへんかもしれんから、それはすごい楽しみですね」

 山田哲「あと7回したら10回っすね」

 坂本勇「10回したらヤバイよ。10回したら(ご褒美に)車を買う」

 山田哲「それぐらいの目標を持ってやりたい。モチベーションが何かないときついんで。そういう高い目標をもって、ガッと取り組みたいなと思います」

 坂本勇「(年齢を重ねるほど)盗塁が一番しんどくなってくるんじゃない? 絶対そうやろうな」

 ――山田選手から見る坂本選手の将来像は

 山田哲「NPBの最多安打記録(の更新)ですね。やっぱり」

 坂本勇「無理やろ!! 3000なんぼやったっけ?(張本勲氏の通算3085安打)」

 山田哲「そこはいってほしいですね。不可能ではないと思います」

 ――坂本選手は1711安打で2000安打まで289安打。山田選手は2000本を意識する

 山田哲「まったくしていないです」

 坂本勇「しいひんよ。あと何本とかになったら、周りがざわつくから気にするけれど」

 ――侍ジャパンの主力でもある2人。東京五輪が来年に迫った

 坂本勇「自分が現役でバリバリできるときに東京五輪があるっていうのもすごいタイミングだと思うし、選ばれたい。でも、ショートも若い良い選手がいっぱいいるので。あと2年間いい成績を残して、選ばれたいなとは思ってます」

 山田哲「僕も出たいですね。出てメダルがほしいです」

 坂本勇「(五輪の)メダル、まだとってないもんな」

 ――2人で二遊間を!!

 坂本勇「もちろん、いいですね。プライベートでもご飯に行くし、そういう選手と二遊間やれるのは。多分、優勝の瞬間とかマウンドに集まるので」

 山田哲「僕も頑張りたいですね」

 ――坂本選手は15年から主将。それぞれのリーダー論は

 坂本勇「試合の中で、他の選手も意識的に見るようになる。でも、最近の若い人にどこまで言っていいのかとかは考える。言いづらいなとか気を使う部分もある。すごく変わってきているのは変わってきているのかな」

 山田哲「僕はそうですね…」

 坂本勇「何歳やったっけ?」

 山田哲「26歳です」

 坂本勇「俺は26の年の次からキャプテンになったんやで。来年からやな」

 山田哲「来年から? いえいえ。覇気もないし」

 坂本勇「ほんま覇気ないもんな。打席だけやで、覇気あるの。(主将の)キャラではないけど。やらされるやろ」

 ――今季の目標は

 坂本勇「3割4分以上。出塁率も4割3分以上(18年は・424)を目指して頑張ります。そういう成績を残せれば優勝に近づけるでしょうし、頑張りたいです」

 山田哲「僕は数字設定はしたくないですね。いけるところまでいって、周りから『今年も活躍しましたね』っていわれる成績を残せたら。目標はないです」

 ――独身の2人。結婚願望は

 坂本勇「僕は無理です、多分…。分からないですけど」

 ――年齢を重ねて意識の変化は

 坂本勇「逆にむしろもういいわって感じ。諦めた。無理やな」

 山田哲「願望がないんじゃないですか?」

 坂本勇「24、25歳のときはあったけど、今はないね」

 山田哲「僕はめちゃしたいですよ」

 坂本勇「ずっとしたいとか言っているけど、結局しいひんやん」

 山田哲「まず、彼女ができないんですよ」

 ――互いにどんな女性が合うと思うか

 山田哲「イメージですか? 坂本さんには何も言わない人。空気とか読める人じゃないですかね。しゃべっていい時と、しゃべったら駄目な時とか」

 坂本勇「めっちゃ難しいやつやん。今、しゃべったらあかんやつって」

 山田哲「あと、ありがた迷惑も駄目ですね。全部やったら駄目です。『えっ?』てなってしまうと思うんで。気配り目配りができるけど、全部じゃないってやつ」

 坂本勇「いいね。いいとこいってるよ!」

 ――逆に山田選手にはどんな女性が

 坂本勇「言われたくないタイプでしょ、絶対。でも、しっかりしている人がいいんでしょ?」

 山田哲「しっかりしている人がいいですね」

 坂本勇「しっかりしているけど、あまりガミガミ言い過ぎなくて、3歩下がるほうがいいな。一緒だな」

 山田哲「一緒です!」

 ――最後にエール交換をお願いします

 坂本勇「同じ右打ちで内野手だから。ライバルとかじゃないけど、刺激にさせてもらっている。できるだけ負けないように頑張りたいし、去年は(それぞれのチームが)2位と3位だから。今年は1位、2位でいけるように頑張ります」

 山田哲「僕も坂本さんの頑張っている姿とか、スーパースターなのにそういう(変化を恐れない)姿勢とかを見させてもらっている。負けないように練習しようって思いますし、お互い頑張りたいですね」

★坂本勇、自主トレで柔軟性を高める

 1月の自主トレは昨年に続き、沖縄県内で実施。2月1日スタートの宮崎キャンプに向けて、体作りに励む。30歳を迎えたこともあり、「体も年々、硬くなっている。柔軟性も意識してトレーニングしたい」と入念な体幹強化や守備練習に重点を置くつもり。帯同する吉川大、北村ら後輩には「技術的なことは多少は聞かれたら教えますが、自分で考えてやるのがうまくなる近道」と自主性を求めた。

★山田哲、自主トレはウエートトレ重視

 1月は愛媛・松山でヤクルト恒例の合同自主トレを実施する。山田哲はプロ2年目から参加しており、今回はチームメートの川端、中村、荒木や阪神・北條、日本ハム・清水らが参加予定。今オフのテーマは「ウエートトレーニングが中心になってくる。強い体を作ることは毎年の目標」と語っており、2週間以上の期間をとって、9年目シーズンへの土台を作り上げる。

★取材後記

 兄弟のように息の合った掛け合いが続いた。インタビュアーの私や長尾カメラマンよりも年上の坂本選手は、時には私に代わって進行役となって場を盛り上げ、写真撮影も気さくにポーズを取ってくれた。山田選手も自然と続き、仲良しの2人の関係が垣間見られた。取材終了後も“対談”は続いた。オフの楽しみを語り合ったり、食事の約束をしたり。「哲人、最近練習してんの? 本当はめっちゃしてるんやろ」「勇人さんこそ」と探り合う場面もおもしろかった。感覚を共有する友人であり、互いを意識し合うライバル-。球界を代表する両選手の特別な絆を感じた。(巨人担当・谷川直之)