阪神・大山、プロ初2発実らず 五回には絶妙セーフティーバント

 
大山は七回、自身初となる1試合2発目の5号ソロを放つ(撮影・村本聡)

 (セ・リーグ、阪神6-7中日、19回戦、中日11勝8敗、11日、甲子園)ヒーローこそ手からこぼれていったが、この快音が聞きたかった。スタンドインを確信した左翼席の虎党が、思わず立ち上がる。大山が一時勝ち越しの5号ソロだ。プロ初の1試合2発で、必死に竜に食らいついた。

 「勝ち負けが全てなので、最後に出られなかったことが反省。全てだと思います」

 九回二死で左飛。最後の打者となったことが口をついたが、力強く打線を引っ張った。

 5-5で迎えた七回無死。カウント3-1からの5球目、福谷の151キロをジャストミートした。一時勝ち越しとなる値千金の一発。足早にダイヤモンドを回ると、少しだけ笑みがこぼれた。

 反撃ののろしをあげたのもまた、この男だ。1-4の四回先頭。ガルシアの初球を左中間最深部に突き刺した。火がついた打線は、この回に3点を奪い同点に。五回無死一塁では三塁線に意表をつくセーフティーバントを決めて、今季4度目の猛打賞を記録した。

 2年目とはいえ、立派な先輩だ。「貸してください!」。大山の赤いマスコットバットを振ってみた1年目の熊谷に、頭を下げて頼まれた。手のひらをボロボロにしながら打撃向上のヒントを探す後輩に、大山は快諾。熊谷も「まだまだこれから。探っているところです」と“相棒”を手に必死に振り込む日々を送っている。

 金本監督は「あそこで逃げ切るのがうちのアレですけどね」とうなだれたが、調子をあげてきた若き大砲に「もちろん、もちろん」と期待を隠さなかった。9月打率・464(28打数13安打)と波にのる背番号3。勝負の季節。勝利のためだけに、バットを振る。 (竹村岳)

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