疫病神来た…「雨中止」でヨカッタ?

虎のソナタ
サンケイスポーツ専属評論家の八木氏が甲子園歴史館でトークショー。大盛況でした

 (セ・リーグ、阪神-巨人=四回表終了降雨ノーゲーム、9日、甲子園)酒涙雨 思いが千々に そそがれる…(詠み人知らず)

 どっちみち負けていたのか。それともここから逆襲したのか…誰にもわからない。酒涙雨(さいるいう)とは七夕に降る雨のことで、牽牛星が年に1度しか織女星に出会うことができないことを嘆き哀しみ、牛に引かせた車を洗い、雨のように注がれる涙のことをいう。

 四回裏、阪神が0-2とリードされての午後3時9分に雨中断…ファンの皆様はズブぬれになりながらジッと待ち続けた。10日に創立50周年を迎える阪神園芸の必死の整備も情け容赦のない秋雨前線の気まぐれには苦戦。1時間28分後の4時37分に真鍋球審の右手は渋々と天を仰いで…中止。

 巨人・高橋監督は「仕方ありませんね…」。

 阪神・金本監督はため息ひとつ「こりゃ、しようがないわな」。

 この試合が9月25日の予備日に組み込まれると、阪神は9月19日から10月8日までなんと『20連戦』となる! 残りがグンとすくない巨人とのCS出場権争いは相当苦しくなるが、それもまた試練なのか…。

 実は前日8日の休みに、トラ番キャップ阿部祐亮は個人的に甲子園に出かけて、スタンドで一人の阪神ファンとなって観戦してみた。すると中年の虎党の方がこう絶叫していたそうだ。

 「おい、コラーッ、阪神ッ! 俺はな、文句だけいうとるんやないぞ! 愛があるから文句も言うんじゃ、わかるか! もっと頑張らんかい!」

 阿部は涙が出そうになった。こういうファンに支えられ、見捨てられることなくタイガースは甲子園という球場で戦っている。そのことを視点をかえて見ると…「こんな幸せなチームはない」と改めて思った。

 そんな電話を受けている頃に、この日の球場のセンター後方の『甲子園歴史館』ではサンスポ専属評論家、八木裕氏のトークショーが開催されていた。熱心な猛虎党で大盛況。前日は巨人に逆転負け。司会のフリーアナウンサー、土井麻由実さん、八木さんのトーク、ゲスト出演した運動部デスク大澤謙一郎のここだけの話で盛り上がり、きょうこそは打倒巨人…と怪気炎を上げた。

 このトークショーには毎年協賛をいただいている『フジミツ』(本社・山口県)のチーズころんが来場者にお土産として配られて、これがまた野球観戦にぴったりのおつまみでして…この日もビールのお供として気分よく…といきたいところだったが、肝心の試合は「雨で中止」…坂孝一球団本部部長(チーム運営1軍担当)が大澤と顔をあわせると「君の顔をみると…ロクなことないなぁ」。ごもっともデス。

 大澤は朝の10時すぎに球場での練習をのぞいたら、目の前で福留がノックを受けていた。そこに谷本修球団副社長兼本部長がやってきて並んで眺めていた。谷本さんは「福留選手は元気ですね。内野手でもいけそうですね」といわれるので、大澤は少々得意顔で「まだ無名の中学生に、ある球団のスカウトが練習を見に来て『今は内野手ですが、あの肩と脚力と打撃があるので将来外野手に転向すれば、超一流の選手になれる』といったことがあるのです。当時周囲はショートで勝負させますよとけげんな顔をしていたそうですが、ドラフトで中日入り後、内野守備で苦労したので当時の山田監督が外野に転向させました。そのスカウトさんは実は今阪神におられます。その通りリーグを代表する外野手になって、これだけ長持ちしているんだと思いますよ」と説明すると、谷本さんは「なるほど」と大きくうなずいておられたそうだ。

 しかし…谷本副社長はよもや大澤が球場にくると阪神が苦戦する疫病神傾向にあることはまだご存じない? そのうちきっとヤツの顔をみると「おーい、誰か塩をもってこい」なぁんておっしゃるかもしれません…つまりこの日は「雨中止」でヨカッタのかも…。

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