広島・新井が黒田博樹氏の背中を追うような引き際 早めの引退発表が名シーン生む

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今シーズンでの引退を表明した広島・新井=広島市のマツダスタジアム(撮影・山田喜貴)

 広島・新井貴浩内野手(41)が5日、広島市のマツダスタジアムで今季限りでの引退を表明した。レギュラーシーズン残り20試合以上を残しての引退発表。鈴木球団本部長は「広島に戻って優勝に貢献してくれた。日本シリーズまで目いっぱい、頑張って欲しい。残りのすべて真剣にやる“引退試合”と思ってやってほしいね」とエールを送る。

 本拠地マツダスタジアムはもちろん、敵地でも7日からの中日3連戦(ナゴヤドーム)、16日のヤクルト戦(神宮)、29日の巨人2連戦(東京ドーム)が残っており“全国行脚”をする。引退発表した5日の阪神戦(マツダ)では五回に代打で登場し、かつて在籍した阪神ファンからも大歓声が起こり「(声援は)聞こえました。ありがたいです」と感謝の言葉を述べた。

 元気いっぱいの新井は球団OBで尊敬する“ミスター男気”こと黒田博樹氏の背中を追うように「見事な引き際」を選んだ。黒田氏はかつて、新井に引き際のついて相談したときに「ファンは(引退を)知っているのと知らないのでは最後の勇姿の焼き付け方が違う」と助言を受けて、2016年の日本シリーズ開幕直前に引退を発表した。

 その黒田氏は日本ハムとの日本シリーズ第3戦(札幌ドーム)に登板し、六回裏に打者・大谷(現米大リーグ、エンゼルス)をフォークで左飛に打ち取った直後に右ふくらはぎの異変を訴えて降板。その後シリーズでの登板はなく、大谷との真剣勝負、“最後の1球”は後に名シーンとなった。

 会見で新井は「最後日本一になって、みんなとうれし涙で、終われれば最高かなと。最後の最後まで全力で頑張りたいと思います」と意気込みを口にする。赤ヘルの歴史に残るスラッガーの“最後の一打”は鮮やかなヒットか、それとも豪快なホームランか。例え平凡なゴロでも、新井らしく一塁へ全力疾走する。(柏村翔) 

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