引退の広島・新井は「後輩にイジられる一流選手」

小早川氏惜別
会見を終えて囲み取材に応じる新井。最後まで涙はなかった

 (セ・リーグ、広島3-11阪神、19回戦、広島12勝7敗、5日、マツダ)広島・新井貴浩内野手(41)は5日、マツダスタジアムで会見し、今季限りでの引退を表明。

 2006年から3年間、広島で打撃コーチを務めたサンケイスポーツ専属評論家の小早川毅彦氏(56)が、引退を表明した新井との思い出を激白。一流選手ながら後輩からいじられる唯一のキャラである一方、隠れて努力する姿を明かした。

 長い間、本当によく頑張った。先月30日のこと。試合前練習中に「元気か?」と声を掛けたら、珍しく弱音を吐いてきた。

 「全身が痛いです。例えるなら、風邪で1週間ぐらい寝込んだ時みたいな感じです」

 その言葉を聞いて、何となく“この日”が近いのかな、と感じてはいた。

 思い出は尽きない。私が広島の打撃コーチに就任したとき、彼はすでに本塁打王を経験した一流選手。ところが、チーム内では先輩だけでなく後輩にもいじられていたことに驚いた。一流選手は後輩が近づきにくかったり、話かけにくかったりするもの。私が知る限り、「後輩にいじられる一流選手」は新井ただ1人。もちろん、それを許す度量の広さがあり、彼の人一倍優しく実直な人柄によるのだろうが。

 これも性格なんだろうが、人に見られる練習をやりたがらない。こっそりやりたいタイプ。だから、狭い場所が大好き(笑)。旧広島市民球場で、新井が好んで練習するのは、ビジター球団のブルペン。左翼ポールの後方にある、投手2人しか投げられない狭い場所で、こっそり打撃練習をしていた。普通は開放感がある屋外でやりたいものだが。ただ、誰も見ていない場所で、そこでマジメに、休むことなく、自分を磨き続けていたんだろう。残した成績は、そんな努力がウソをつかなかった証しだ。

 残り試合も全力プレーで有終の美を飾ってほしい。「お疲れさま」はシーズンが終わってから言うことにしよう。 (サンケイスポーツ専属評論家)

Read more