忘れない!8年ぶり母校・土浦日大と過ごした夏

 

 【女子社員コラム 言わせて系】初めて野球観戦したのは高校1年の夏だった。茨城県大会1回戦で石下紫峰と対戦する母校・土浦日大を、土浦市営球場(現・JCOMスタジアム土浦)まで応援に行ったときだ。

 当時の私は野球部とは全く交流のない、“スーパーハイ”という勉強に特化したクラスに在籍していた。クラスメートと話しながら観戦していたが、野球に興味がなかったので、暑さでだんだん集中力がなくなっていった。

 早く帰りたいと思っていたそのとき、「危ない!」という誰かの声が聞こえた。顔を上げると5メートルくらい先に白いものが光った。それが何か気がついたときには、左越えのホームランボールがメガホンを直撃し、縁の部分がへこんでいた。

 石下紫峰には4-2で勝利したが土浦日大は3回戦で敗退。当時は甲子園なんて夢のようだったが昨年、延長十五回、5時間の死闘の末、霞ケ浦を倒し31年ぶりに茨城県大会を制した。そして今年は明秀日立、霞ケ浦、常総学院の3強をすべて倒し、2年連続で聖地への切符をつかみ取った。

 6月から運動部に異動になった私は、茨城と千葉の高校野球担当になった。もちろん、昨年の優勝校である母校も取材した。はじめは勝っても大きく扱われなかったが、常総学院との決勝戦は茨城県版の1面を飾った。

 母校の記事で1面デビュー。友人や当時の先生からは祝福のメッセージが届いた。特に高校2年のときの副担任のことを書いたコラムは切り抜かれ、教室に貼られているらしい。

 甲子園では惜しくも興南(沖縄)に敗れ2年連続の初戦敗退となった。しかし最後まで粘り強く戦い抜いた土浦日大ナインの姿に胸を打たれた。ホームランボール直撃から8年。不思議な運命もあるものだ。母校と過ごしたこの夏は一生、忘れられそうにない。(川並温美)

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