JR東日本東北V3!“あっぱれルーキー”加藤がMVP投/東北スポーツ

 
先発した加藤は3連投ながら9回1失点完投。鉄腕ルーキーだ(撮影・井上幸治)

 第44回社会人野球日本選手権・東北最終予選代表決定戦(27日、石巻市民)JR東日本東北(宮城)がきらやか銀行(山形)を5-1で下し、3年連続19度目の日本選手権(11月1日開幕、京セラドーム大阪)出場を決めた。25日の1回戦から3連投となった富士大(岩手)出身のルーキー加藤弦投手(22)が9回116球を投げ、6安打1失点で完投。今大会2勝目を挙げ、大会MVPに輝いた。

 最後の打者を捕飛に打ち取ると、加藤は何度も飛び跳ねて喜びを爆発させた。

 「後ろ(救援)もいるし、いけるところまでいこうと。直球が走らなかったが、粘れたのがよかった」

 毎回のように走者を背負いながら、要所での低めへの制球がさえた。失点はソロ本塁打の1点のみに抑えた。

 気合の3連投でチームを頂点に導いた。25日のTDKとの1回戦は132球で3失点完投。前日26日の準決勝・七十七銀行戦は3番手で1回無失点、13球を投じた。この日は116球の完投劇を演じた鉄腕ルーキーに、西村亮監督(44)は「ひと皮むけた。頼もしくなった」と目を細めた。

 6月の都市対抗予選で、チームはトヨタ自動車東日本、七十七銀行に2桁失点し敗退。立て直しへ猛練習を敢行した。6月中はボールを握らず、全体練習などでランニングメニューを消化。加藤は「長距離、短距離含め一日20キロくらいは走った。人生で一番きつかった。思い出したくもない」。集中力も散漫になり、コーチの叱責に涙を流したこともあった。

 だが、厳しい練習を乗り越え「体をしっかり動かせるようになった」と加藤。下半身が安定しフォームのバランスも整った。実戦に入った8月には、西村監督から「社会人野球は外角に6割の力、127キロくらいの球を投げるイメージがいい」と助言され、無駄な力みも消えた。

 神戸市出身。日本選手権は地元に近い京セラドーム大阪でプレーできる、数少ない機会だ。「家族や友達も見に来てくれると思うので楽しみ。粘りの投球で3人ずつで抑えていくのが理想。負けたくない」と闘志を燃やす。 (井上幸治)

加藤 弦(かとう・げん)

 1995(平成7)年9月23日生まれ、22歳。神戸市出身。櫨谷小2年から櫨谷狩場台少年団で野球を始める。櫨谷中、八重山商工高(沖縄)を経て富士大へ進み、リーグ戦通算9勝。4年春、秋はいずれもリーグ戦MVPとベストナイン。今春からJR東日本東北でプレー。1メートル80、76キロ。右投げ左打ち。家族は両親、兄2人。

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