今宮が野球人生指折りの後悔から再出発 猛追ソフトバンクで“分岐点”

球界ここだけの話(1372)
24日、1回、初球本塁打を放つソフトバンク・今宮健太=ヤフオクドーム(撮影・仲道裕司)

 ソフトバンクが7連勝で猛追を開始した。打線は上位から下位まで調子がいい。もともとチーム状態は上向いていたが、乗り遅れ気味だった主力の一人が目覚め、今季最長の大型連勝につながった。この間に2本の決勝打を放っている今宮健太内野手(27)。連勝直前に、決して忘れてはならない「分岐点」があった。

 「チャンスこそ迷わず、チャンスこそ積極的に。これまではチャンスで『打ちたい、打ちたい』ばかりで、迷いがあったので」

 頭を整理したのは16日の楽天戦(ヤフオクドーム)だ。1点を追う七回の好機で、初球を打ち損じて一邪飛。打ち上げた瞬間にバットをたたきつけた。ベンチに戻り、今度はヘルメットに怒りをぶつけた。九回も同点の好機に倒れて最後の打者になった。

 「ずっと好機で打てていない。今季は何の役にも立っていない」

 この日だけでなく、右肘痛にも悩む今季は開幕から不振が続いてきた。たまったストレスが一気に噴きだした。冷静な男の“やつ当たり”はみたことのない光景。問われるまでもなく「あれは反省しないと」と自身を戒めた今宮は「いままで記憶にない」という行為を犯した夜を振り返る。

 「すごく考えました。帰りの車の中でも。やってはいけないことをやってしまった。打てないのは自分の問題で、バットやヘルメットのせいではないのに。子供たちも見ているのに」

 翌17日のオリックス戦(京セラ)は欠場も、18日の同戦で適時打を放つと、19日の同戦は先制打と決勝2ラン。23日の日本ハム戦(東京ドーム)でも決勝打を放った。

 「二度としません。一生しません」

 問題の試合後、すぐに道具を磨いたという。反省と同時に自身を見つめ直す機会にもなった。だから打てるようになったとはかぎらない。ただ、不思議と潮目は変わった。7試合連続安打は今季最長。野球人生で指折りの後悔から再出発だ。(安藤理)

Read more