日本ハム・栗山監督、甲子園で感じ直した指導者としての原点

球界ここだけの話(1368)
日本ハム・栗山監督

 雲はわき、光あふれて-。8月13日、甲子園の上空には抜けるような青空が広がり、真っ白な入道雲が浮かんでいた。第100回の記念大会で例年以上の熱気を帯びる聖地に、足を踏み入れたのは日本ハムの栗山英樹監督(57)だ。

 第1試合の大阪桐蔭(北大阪)-沖学園(南福岡)を、試合前のシートノックからゲームセットまで、スタンドから食い入るように見つめた。「記念大会だし、1度は来ないといけないと思っていた」。プロ野球の監督のシーズン中の訪問は異例だが、テレビ朝日系の夏の甲子園ダイジェスト番組「熱闘甲子園」にゲスト出演するために関西入りしており、収録までの空き時間を利用して、視察ではない純粋な生観戦が実現した。

 「熱闘甲子園」には2009年から3年間、ナビゲーターとして出演。その時の経験が自身の指導者としての原点になっているという。「取材を通じて高校の監督さんとお話しさせていただく中で、たくさんのことを学んだ」。指揮官はそう恩義と感謝を口にする。

 12年からは日本ハムの監督に就任。指導者経験のないままのスタートだったが、心にあったのは「プロ野球で高校野球をやってやるんだ」という信念だったという。1球にかける熱い思いをプロの世界でも体現する-。その思いを貫きながら、気付けば監督生活は今季で7年目を迎えた。

 その間にリーグを2度制覇し、16年には念願の日本一も経験。「プロ野球ってこういうものだ、という風に染まらないようにやってきたけど、大切なものを自分で感じて、もっと発信していかないといけないな」。思いは新たになった。

 大好きな景色がある。甲子園のバックスクリーン越しに見る入道雲だ。「甲子園の雲はとても意味のあるものだと思っていて。このきれいさは甲子園にしかない。その姿を見たときに、もっと感謝しないといけない、もっと努力しないといけないと思った」。大好きな高校野球に触れながら、改めて自らに問い直した原点と生き方。「大切なことは甲子園にある。とてもいい1日だけの夏休みをもらいました」。そう話す目は子供のようにキラキラと輝いていた。(伊藤昇)

Read more