甲子園球児、笑うのは試合が終わってからにしようぜ

なるべく週刊エモト

 サンケイスポーツ専属評論家の江本孟紀氏(71)が高校野球の甲子園球児にひとこと。「あの笑顔をみると」-。すがすがしい気持ちになる? いえ、どうも違うようで…。 (構成=内井義隆)

 --甲子園はごらんになっていますか

 「母校(高知商高)が勝ち進んでいるから、どうしても気になる。プロ野球の解説・評論の時間を縫ってみているよ。さて、そこで思うことは、あの笑顔だ」

 --すがすがしいですか

 「逆だ。試合中の笑顔は、やめなさい。みていて、気持ちが悪い」

 --そこまで言う…

 「全部が全部ではないけど、ヒットを打たれた投手、凡退した打者、エラーをした野手、ピンチで伝令にくる選手。笑顔のオンパレードじゃないか」

 --リラックスを心がけているのでしょう

 「そこよ。笑顔は決して、リラックスの象徴ではないんだ。リラックスとは、体の芯から出てくるもの。表情という表面上のしぐさで、できるものではない」

 --そうきますか

 「それに、死ぬほど練習して、人一倍努力した選手は、甲子園に出てなお一層、必死なはず。だから、アレは不安を隠すための作り笑いでしかない。体も心もこわばっている証拠でしかない」

 --言われてみれば…

 「だいたい、野球のプレーに笑うシーンなんてない。プレーの中にないものを教える必要も、やらせる必要もない。指導者もそこをきっちり、わきまえないと」

 --厳しいですね

 「球児たちは猛暑の中、頑張っていると思うよ。感動的な試合を見せてくれて、ありがたいと思うよ。それだけに、あの笑顔が余分なんだよ」

 --そういうことでしたか

 「そもそも、問題の根源はプロ野球にもある。試合が終わったわけでもないのに、勝ったと決まったわけでもないのに、ヒット1本、アウト1つで笑顔を見せる。雄たけびを上げる。情けないし、相手への敬意もない。そういうところを子供に見せては、いかんのだ。笑うのは、試合が終わってからにしようぜ」

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