DeNA・浜口が“正妻”の高城トレードで誓った思い

球界ここだけの話(1344)
名コンビだった浜口遥大投手(左)と高城俊人捕手

 突然の通達に驚いたのは当事者だけではない。“相方”のショックも大きかった。

 「実感がなかったです。あまりに驚きすぎて…」

 こう語ったのは浜口だ。DeNAは前半戦終了直前の7月9日、白崎と高城、オリックス・伊藤と赤間の2対2のトレード成立を電撃的に発表した。

 浜口は1年目の昨季、主に高城とバッテリーを組み、球団新人左腕としては59年ぶりとなる2桁勝利(10勝)を挙げた。ソフトバンクとの日本シリーズ第4戦では八回一死まで無安打無得点投球も披露し、今季も前半戦全8試合でバッテリーを組んだ名コンビ。浜口にとって“正妻”を失ってしまった格好だ。

 「ベイスターズ球場に来て、涙をこらえながらみんなとあいさつしているジョー(高城)さんに会いました。僕にも明るく振る舞って『頑張れよ』と。涙を見せたくなかったんだと思います。僕はジョーさんがいなくなる実感がなくて、何も言葉が出ませんでした」

 高城と最後にコンビを組んだ7月1日の広島戦(横浜)。三回に突然、制球を乱した。ピンチを招き申告敬遠による満塁策をとったが、そこからプロ野球記録に並ぶ4者連続押し出し四球を与えた。この回だけで7四死球。1イニング6四球もセ・リーグのタイ記録。不名誉な数字を残し、敗戦投手となった。

 「ジョーさんとの最後が、ああいう形で悔いが残っています」

 笑顔で終われなかったことが悔しかった。高城からはいつも「思い切り腕を振って投げろ。ワンバンは俺が止めてやる」と言われていた。体を張ってブロックしてくれる高城だからこそ、ブレーキが利いて落差のあるチェンジアップを思い切り投げることができた。

 正捕手候補の伊藤の加入後、浜口はコンビ2戦目となった25日の中日戦(ナゴヤドーム)で6回7安打、2失点と粘りの投球。今季先発10試合目にして初勝利を手にした。カーブなどが増えた伊藤の配球に対して、「違う自分の投球スタイルを引き出してくれる」と手応えを口にした。

 「ジョーさんに頑張っている姿を見せたい」

 新たな決意とともに、ここから白星を積み重ねる。ラミレス監督が後半戦の投手陣のキーマンに指名したのは、浜口だった。(湯浅大)

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