“いつでも頼ってくれ”…虎の助っ人と通訳の信頼関係を感じた瞬間

球界ここだけの話(1333)
橘通訳(右)とポール間ダッシュをする阪神・エフレン・ナバーロ=7月13日、甲子園球場(撮影・水島啓輔)

 4年に1度のサッカーの祭典、W杯のロシア大会が幕を閉じた。大会期間中は阪神球団関係者と、どのチームがグループリーグを突破するか、決勝トーナメントの行方は…と談笑する機会もあり、世界を巻き込むビッグイベントの“熱”は甲子園でも確かに感じた。

 テニスのウィンブルドン選手権の男子、女子のシングルス決勝なども行われ、何度もチャンネルを切り替えて勝負の行方を追った。スター選手が心置きなく真剣勝負に全身全霊を傾けられるのも、大勢のボランティアや運営スタッフの尽力があってこそだろう。

 阪神を支える裏方のひとつが通訳。常に外国人選手に付き添い、記者も日頃の取材で大変お世話になっている。ただ、その仕事内容は言語の橋渡し役だけではない。

 メッセンジャーのキャッチボール相手、室内練習場で剛速球を投げるドリスの捕手役に始まり、グラウンドを離れても慣れない日本での日常生活のアドバイスや、外食をともにするなど“二刀流”どころではない。

 鳴尾浜で調整中のロサリオにつき、その夜に甲子園で行われるナイターに駆けつけるというダブルヘッダーをこなす通訳もいる。外国人選手が全幅の信頼を置くのもうなずける仕事っぷりだ。

 ある日の練習後、シーズン途中から加入したエフレン・ナバーロ内野手(32)がクラブハウスへの通路に姿を現した。報道陣が次戦への意気込みを聞きたい、と囲んだが運悪く通訳が隣にいない。ここでナバーロは、笑みを浮かべながら手を振ってベンチへ戻ってしまった。

 きょうの取材はなし? と思っていると通訳を伴って再び通路に戻り、記者の質問ひとつひとつに丁寧に答えてくれた。助っ人陣にとってはチーム首脳陣とのコミュニケーションにも欠かせない。“いつでも頼ってくれ”という通訳との厚い信頼関係を感じた瞬間だった。(新里公章)

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